2-2)気分エピソード Mood Episodes
上記の目次でさえ実は抜粋ですが,本文は更に長くて複雑なので,私が独断と偏見で簡単化しました。
< >は私の注記。
2-2-1)大うつ病エピソード <後でより詳しく説明。>
次のうつの症状の5つ以上が2週間以上続く。
<臨床的には6週間以上続くと本物と考えるらしい。>
ほとんど毎日の抑うつ気分。興味、喜びの著しい減退。著しい体重減少、あるいは体重増加。不眠または睡眠過多。精神運動性の焦燥または制止。易疲労性、または気力の減退。自分に対する無価値観、または不適切な罪責感。思考力や集中力の減退、または、決断困難。死についての反復思考、反復的な自殺念慮、自殺企図。
<大うつ病は,抑うつ気分と,興味・喜びの低下が2大症状で,これらの1つはほぼ確実に存在します。>
2-2-2)躁病エピソード <後でより詳しく説明。>
やたらと元気な躁症状が1週間以上。入院が必要ならもっと短くても。職業上や日常の社会活動または他者との人間関係に著しい障害を起こすほど、入院が必要であるほど重症であるか、精神病性の特徴が存在する。
<精神病性の特徴とは,幻覚・妄想があること。これは,社会的・心理的ダメージを受ける可能性がある危険な状況です。>
2-2-3)混合性エピソード <後でより詳しく説明。>
少なくとも1週間の間ほとんど毎日、躁病エピソードの基準と大うつ病エピソードの基準をともに満たします。
2-2-4)軽躁病エピソード <後でより詳しく説明。>
少なくとも4日間、持続的に高揚し、開放的または易怒的な気分が続く症状を特徴とする。躁病エピソードと類似するが、程度が軽く、人間関係や社会生活に影響は少ない。
2-2-2)躁病エピソード Manic Episode(詳細)
<躁病エピソードは,患者自身が異常の自覚(病識)を失うなど,特に大事なのできちんと各項目を引用します。>
- A. 気分が異常かつ持続的に高揚し、開放的または易怒的にいつもと異なる期間が、1週間以上(入院が必要な場合はもっと短期間でも)。
- B. 気分障害の期間中、以下の症状のうち3つ以上が持続している(気分が単に易怒的な場合は4つ)。
- 自尊心の肥大、または誇大。
- 睡眠欲求の減少(例えば、3時間眠っただけでよく休めたと感じる)。
- 普段よりも多弁であるか、喋り続けようとする心迫。
- 観念奔逸*、またはいくつもの考えが競い合っているという主観的な体験。
- 注意散漫(注意があまりにも容易に、重要でない関係のない外的刺激に誘導される)。
- 目標志向性の活動(社会的、職場または学校内、性的のいずれか)の増加、または精神運動性の焦燥。
<要するに逸脱行動。> - まずい結果になる可能性が高い快楽的活動に熱中すること(例えば、制御のきかない買い漁り、性的無分別、馬鹿げた商売への投資などに専念すること)。<これらも逸脱行動で,本人の自覚だけでは防げません。また本人が逸脱・異常と自覚していない事もあります。>
- C. 症状は混合性エピソードの基準を満たさない。
- D. 気分の障害は、職業的機能や日常の社会活動または他者との人間関係に著しい障害を起こすほど、または自己または他者を傷つけるのを防ぐため入院が必要であるほど重篤であるか、または精神病性の特徴が存在する。
<入院が必要か,職業的・社会的・心理的破滅を招くと言うこと。精神病性の特徴とは,幻覚・妄想などの事。>
<*観念奔逸(かんねんほんいつ):たくさんの考えが同時に起きてまとまらなくなる,次々新しい考えに飛び移る>
2-2-4)軽躁病エピソード Hypomanic Episode(詳細)
<双極IとIIの鑑別上重要>
A. 持続的に高揚した、開放的な、または易怒的な気分が、少なくとも4日間続くはっきりとした期間があり、それは抑うつのない通常の気分とは明らかに異なっている。
B. 気分の障害の期間中、以下の症状のうち3つ(またはそれ以上)が持続しており(気分が単に易怒的な場合は4つ)、はっきりと認められる程度に存在している。
(1) 自尊心の肥大または誇大。
(2) 睡眠欲求の減少(例えば、3時間眠っただけでよく休めたと感じる)。
(3) 普段より多弁であるか、喋り続けようとする心迫。
(4) 観念奔逸、またはいくつもの考えが競い合っているという主観的な体験。
(5) 注意散漫(すなわち、注意があまりにも容易に、重要でないかまたは関係のない外的刺激に転導される)。
(6) 目標志向性の活動(社会的、職場または学校内、性的のいずれか)の増加、または精神運動性の焦燥。
(7) まずい結果になる可能性が高い快楽的活動に熱中すること(例えば、制御のきかない買いあさり、性的無分別、馬鹿げた商売への投資などに専念する人)。
C. エピソードには、症状のないときにはその人物に特徴的でない明確な機能変化が随伴する。
D. 気分の障害や機能の変化は、他者から観察可能である。
E. エピソードは、社会的または職業的機能に著しい障害を起こすほど、または入院を必要とするほど重篤でなく、精神病性の特徴は存在しない。
F. 症状は物質(例:乱用麻薬、投薬、あるいは他の治療)の直接的な生理学的作用、または一般身体疾患(例:甲状腺機能亢進症)によるものではない。
2-2-1)大うつ病エピソード (詳細)
2-2-3)混合性エピソード(詳細)
を下記のページで記載します。
◆大うつ病エピソード Major Depressive Episode
A. 以下の症状のうち5つ(またはそれ以上)が同じ2週間の間に存在し、病前の機能からの変化を起こしている;これらの症状のうち少なくとも1つは、(1)抑うつ気分または(2)興味または喜びの喪失である。
*注: 明らかに、一般身体疾患、または気分に一致しない妄想または幻覚による症状は含まない。
(1) 患者自身の言明(例えば、悲しみまたは、空虚感を感じる)か、他者の観察(例えば、涙を流しているように見える)によって示される、ほとんど1日中、ほとんど毎日の抑うつ気分。
*注: 小児や青年ではいらいらした気分もありうる。
(2) ほとんど1日中、ほとんど毎日の、すべて、またはほとんどすべての活動における興味、喜びの著しい減退(患者の言明、または他者の観察によって示される)。
(3) 食事療法をしていないのに、著しい体重減少、あるいは体重増加(例えば、1か月で体重の5%以上の変化)、またはほとんど毎日の、食欲の減退または増加。
*注: 小児の場合、期待される体重増加がみられないことも考慮せよ。
(4) ほとんど毎日の不眠または睡眠過多。
(5) ほとんど毎日の精神運動性の焦燥または制止(他者によって観察可能で、ただ単に落ち着きがないとか、のろくなったという主観的感覚ではないもの)。
(6) ほとんど毎日の易疲労性、または気力の減退。
(7) ほとんど毎日の無価値観、または過剰であるか不適切な罪責感(妄想的であることもある)(単に自分をとがめたり、病気になったことに対する罪の意識ではない)。
(8) 思考力や集中力の減退、または、決断困難がほとんど毎日認められる(患者自身の言明による、または、他者によって観察される)。
(9) 死についての反復思考(死の恐怖だけではない)、特別な計画はないが反復的な自殺念慮、自殺企図、または自殺するためのはっきりとした計画。
B. 症状は混合性エピソードの基準をみたさない。
C. 症状は臨床的に著しい苦痛または、社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。
D. 症状は、物質(例:乱用薬物、投薬)の直接的な生理学的作用、または一般身体疾患(例:甲状腺機能低下症)によるものではない。
E. 症状は死別反応ではうまく説明されない。すなわち、愛する者を失った後、症状が2か月をこえて続くか、または、著明な機能不全、無価値観への病的なとらわれ、自殺念慮、精神病性の症状、精神運動制止があることで特徴づけられる。
◆混合性エピソード Mixed Episode
A. 少なくとも1週間の間ほとんど毎日、躁病エピソードの基準と大うつ病エピソードの基準を(期間を除いて)ともに満たす。
B. 気分の障害は、職業的機能や日常の社会的活動または他者との人間関係に著しい障害を起こすほど、あるいは自己または他者を傷つけるのを防ぐため入院が必要であるほど重篤であるか、または精神病性の特徴が存在する。
C.その症状は、物質の直接的な生理学的作用(例:乱用麻薬、投薬、または他の治療)、または一般身体疾患(例:甲状腺機能亢進症)によるものではない。
*注: 身体的な抗うつ治療(例:投薬、電気けいれん療法、光療法)によって明らかに引き起こされた混合性様のエピソードは、双極I型障害の診断に数え上げるべきではない。
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コンテンツ別目次は 双極性障害の概念、診断、治療