混乱期を超えて

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双極性障害と向き合う

双極性障害は脳の一部に異常を起こす障害と言えます。症状は当事者の思考の混乱や言動の変調を通して現われる(ここはいわゆる内科的な病気と異なると思います)部分が大変に多いです。それがこの病気の特徴でもあります。だから症状をできるだけ自分で把握してコントロールしていかないと、結果的に自分を心理的に苦しめたり、人間関係を悪化させたり、社会的な信用を損なう可能性がとても大きいのです。それも本人さえ気がつかないうちに行ってしまうこともある訳です。
その恐さを思い知った時(強い症状が出た後)は、「一体どの自分が本来の自分なの?」と、躁鬱の病相と平常時(安定している時の状態)の線引きがどこにあるのか、混乱が生じました。「躁病相でとんでもないことをしたら」とか「鬱病相で無気力で消えてなくなりたくなったら」と考えると、何もかも恐くなってびくびく怯えて暮した時期もありました。病気とうまく向き合えない、どうしようもなく落ち込んで、不安な気持ちの自分を吹っ切らせてくれたのが、「病識と薬物療法と自己コントロール」という3本の柱でした。

自己(セルフ)コントロールという言葉は、精神医学や心理学の領域、または心療・神経内科などの臨床の現場などで、しばしば用いられています。古くは※「うつ・躁回復ワークブック」にも副題に自己コントロールと言う言葉が出て来ます。また当事者の言葉としても、さまざまな意味合いで「うまく自分をコントロールできない」というふうに使われたりていると思います。ところが多少調べてみましたが、この言葉の定義や使われ方に、特に統一感がある訳ではないようですね。
ここでは、当事者が病気を理解したり、少しでも安定させるための、「自覚的で意識的な行為」を大まかに「自己コントロール」と呼ばせてもらいます。

いまは双極性障害と向き合いながらも、なるべく自分らしく生きることを第一に置いています。もちろん、落ち込みだって、ヘマだってするけれど、別にそれらの全てが病気に寄るものではないですしね。自分の状態の変化が病的なものであるかそうでないか、その見分けも大切ですよね。自分を外側からできだけ冷静に見てみることがポイントです。比較気分の穏やかな時に、最近起った事柄が症状かどうかを自己観察してみましょう。また余裕があれば、過去の自分の症状の特徴を振り返ってみましょう。自己コントロールを行っていく上で大切なことだと思います。この病気特有の、遺伝的かつ気質的な部分や、自分の性格なども加味していきながら。

双極性障害とともに生きることは、出口の見えないでこぼこ道を迷いながら歩くようなものかも知れません。そんな道でも、少しでも穏やかに、のびやかに歩んでいきたい、そのために当事者にできる方法のひとつが、自己コントロールだと思います。「病識と薬物療法と自己コントロール」という3本の柱が不安をふっ切らせてくれたと書きましたが、それは双極性障害と共に歩む指針であり、実際は変化する症状と共に試行錯誤しながら実践しいくものです。だから3つの柱が見つかったから、はい解決ということにはなりませんが。特効薬がなくても当事者ができることはあると思います。また双極性障害と一言で言っても症状は個人差が大きい(詳しくは医療コンテンツ参照)です。自分なりのコントロール方法を編み出していくことが大切でしょう。

※「うつ・躁回復ワークブック」メアリー・E.コップランド著作
副題:「自分で記入し、自己コントロールするためのプログラム」「回復のためのライフスタイル」などの自己コントロールに関する記載があります。

次は、「双極性障害と自己コントロールのパラドックス」です。

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