双極性障害における日常生活能力のとらえ方
女性の方に多いと思いますが、家で家事をされているまたはせざるを得ない環境にある場合(既婚・独身に拘わらず無職のケース)、これも「労働」です。家事労働が出来ないということは「外で働けない」ことと同じで、非常に深刻なことです。これは生活能力がひどく低下していることを現しています。家事労働は非常に複雑で重要な労働ですから、「家事が出来ない」ことはきちんと書いておきましょう。また、家事が出来ず、ヘルパーを利用している場合や、同居人及び近親者のお世話になっている場合は、書いておきましょう。それだけ生活能力が低下していることを医師にわかってもらうためです。
日常生活能力とは、仕事が出来るか出来ないかだけの問題ではありません。日常の生活の能力がどれだけ低下しているかが問題になってきます。下に判定基準を書いておきましたので、項目に沿って、自分の生活能力を書いてみましょう。「自分で食事が作れない」とか「お風呂に入れない」「浪費してしまう、買い物に行けない」「うつで通院が出来ない」「人とうまく付き合えない」「希死念慮が常に沸いている」「ODをしてしまった」「イライラして物を投げた・壊した」などの表現を使って、自分の日常生活について、自分に当てはまる事を書いておきましょう。
判定基準診断書には判定基準がありますから、それを参考に自分の状態を表現していくのも、一つの手かもしれません。自分の最悪な状態のときのことを思い出して、出来ていたのかどうか、書き出してみましょう。これはわざと等級をあげようと悪意を持って不正をしようとすることとは違います。 肝心なことは躁病相もうつ病相も一番状態が悪化したと症状を規準に、診断書を書いてもらうようにすることです。日頃から、主治医に対して、言葉(メモでもよい)ではっきりと働きかけ、コミュニケーシ、ョンを取ることが大切です。医師にとっては、訴えがない(または少ない)ことが、もっとも診断書が書きにくいようです。
日常生活能力の判定では、(1)適切な食事摂取、(2)身辺の清潔保持、(3)金銭管理と買い物、(4)通院と服薬、(5)他人との意思伝達及び対人関係、(6)身辺の安全保持及び危機対応の6項目が4段階で判定されます。各項目、a判定「できる」b判定「自発的に出来るが援助が必要」c判定「自発的には出来ないが援助があればできる」d判定「できない」です。もちろん、他の記入箇所があるので、この判定だけによるものではありませんが、明暗を分けるかなり重要なポイントのようです。
日常生活の能力の程度の判定5段階評価ですが、(1)「精神障害を認めるが、社会生活は普通にできる。」(2)「精神障害を認め、家庭内での日常生活は普通にできるが、社会生活上困難がある。」(3)「精神障害を認め、家庭内の単純な日常生活はできるが、時に応じて援助が必要である。」(4)「精神障害を認め、日常生活における身のまわりのことも、多くの援助が必要である。」(5)「精神障害を認め、日常生活における身のまわりのことも、ほとんどできないため、常時の介護が必要である」。です。(5)は最重度。 ここも、他の記入部分との兼ね合いもありますが、かなり重要な判定のポイントのようです。
家族が治療に協力的でなければ、治療がうまく進みません。しかし医師が知らない(患者が医者に告げていない、告げづらい)場合もあります。 「家族が病気に理解がない」「家族が病弱で介護が必要」など家族についても自分カルテに書いておきましょう。 経済状態については、よほどコミュニケーションが取れてないと、医師は知らないものです。しかし、障害を持った私たちがより病状を安定させるためには、お金はかかせません。年金受給の基本条件は精神障害を持つことで、患者本人が「働きたくても(充分に)働けない」ということにあります。一方で「年金生活の親の扶養」「夫(妻)の収入が少ない」「夫(妻)が給与を渡さない」「夫(妻)がギャンブルで借金」「夫(妻)の浪費が酷い」など、自分を取り巻く経済的に不安定あるいは苦しい環境に触れておくことは年金受給のために大切です。経済状況が厳しいというのは、判定のポイントですから、その状況(経済的に苦しいこと)をきちんと医師に知らせておく必要があります。 労働能力自分が「働ける状態でない」「働く能力がない」であれば、きちんと医師に告げておきましょう。そして医師に「働いてよいかどうか?」必ず確認しましょう。医師から仕事をとめられたら、後で述べる「申立書」にも同様に記しましょう。
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