2)国際分類・操作的診断基準の台頭
推定された病因によって分類されてきた従来の精神疾患の分類・診断に対して,主観的・直感的すぎると批判が集まって来ました。問題として,各国の種々の精神科医がバラバラに色々な病名を提唱するから,それらの異同が分からないとか,国によって診断の仕方が違う,同じ国でも精神科医によって診断結果が異なるという問題です。
そこで,現時点で精神疾患の原因は確実でないので,原因を推定して分類する病因的分類を排除し,客観的に判断できる臨床症状の組み合わせから診断する(操作的診断法)を使って出来たのが,国際分類であるWHOのICD分類とアメリカ精神医学会のDSM 分類です。それらの最新版はICD-10(1990年)とDSM-IV-TR(2000年)です。
両方とも似ているけど,ここではより新しいDSM-IV-TRをとりあげます。内因,外因,神経症性,反応性などを使わず,症状,期間,重症度などの組み合わせだけから,診断しています。
また,今までの病名を大幅に整理・単純化してしまいました。DSM-IVでは,歴史的病名である神経症(ノイローゼ)(不安障害に一部移行),ヒステリー(転換性障害へ),心身症(身体表現性障害へ)などは消えたり,名称・概念の変革を受けています。
DSM-IV-TRを,見てみると,うつ病,躁うつ病はまとめて気分障害(DSM-IIIの旧名,感情障害)に分類されています。
DSM-IV-TR(2000年)はDSM-IV(1994年)の分類体系は変えずに文章だけ追記されたものです。
気分障害の分類では,まず気分エピソードが定義されます。それには,大うつ病エピソード,躁病エピソード,混合性エピソード,軽躁病エピソードの4つがあります。
大うつ病というのは大げさな名前ですけど,単にmajor depressionの和訳で,ある程度以上のうつ状態のみを扱おうという考えです。これらの気分エピソードは、独立した疾患単位ではないけど、気分障害の診断の重要な構成部分として用いられます。
2-1)DSM-IV-TRによる気分障害の分類
2-2)気分エピソード Mood Episodes
2-3)気分障害の分類(簡単な記述)
2-3-1)うつ病性障害 Depressive Disorders
2-3-2)双極性障害 Bipolar Disorders
引き続き、「2-1)DSM-IV-TRによる気分障害の分類(目次)」へ
コンテンツ別目次は 双極性障害の概念,診断,治療