細やかな自己観察が早期の病名確定につながります

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双極性障害と向き合う

発病の頃をいま振り返ってみて、まだ「病識」が持てないでいる人に言えることがあるとするなら、抵抗せずに淡々と受け入れた方が断然良かったということに尽きます。そうすることが、躁鬱の波の振幅を穏やかにする早道になるというのが実感です。病気を否定したり抵抗したりしても、治療面で良いことはひとつもありません。受け入れた上で焦らずに病気と向かい合っていくことがこの病気のスタートラインではないでしょうか。病識を得た後でも、ひどい躁や鬱の病相の時に不可抗力で「病識を失う」という状況が生まれる場合もあります。その点に関してはまた別の機会に触れたいと思います。
 
病名を知ることは大切なのですが、初診で病名が決まるとは必ずしも限りません。躁病相が医師の目にも強く現れていれば診断は比較的容易ですが、フラット(平常)、鬱病相での初診ではしばしば困難です。そのような場合の初診でも、躁病相のエピソードを当事者や家族がきちんと話せれば、診断がしやすいのです。ですから、これまでの症状は気づく限り箇条書きなどでメモにして、初診時に医師に読んでもらうのも良いと思います。症状の説明は当事者の症状や状態を把握している同居の家族などに、付き添って説明してもらうのもひとつの有効な方法です。当事者の自己申告や家族からの申告がないと、医師が「双極性障害」の診断を初診でつけることは、むずかしい場合があると考えてください。躁病相が認められないなどで、双極性障害とは診断ができないけど疑いが残る場合、精神症状の経過観察が必要になります。経過観察中、躁病相に当てはまるエピソードがないか、自分の状態や症状を主治医に的確に説明する努力をしてみましょう。躁病相の症状に関しては詳しくは国際基準のDSM−IVなどをご参照ください。

次は、「甘くはない病名確定、時には難産も覚悟して」です。

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