Bipolar spectrum(双極スペクトラム)について
Bipolar spectrumとは、Akiskal(1983)によって発表された双極性障害の新しい概念です。その背景としてAkiskalは、双極性障害と単極性障害の間に色々な疾患がありえること,また双極性障害をより広く考えるべきとした事によります。
年代によって発展しつつある概念です。
表1) 1983年当時は
双極I型:本格的な躁うつ病
双極II型:反復性うつ病と自然発生の軽躁病
双極III型:双極III型は反復性うつ病単独だけど,躁病の家族歴をもつか,抗うつ薬で躁転するものをさします。
厳密な単極性うつ病
表2) 1989年のアキスカルの論文には,下記を双極スペクトラムに上げています。この単純な分類が私は好きです。
1) 双極性分裂感情障害≒統合失調感情障害の双極型
2) 双極I型:本格的な躁うつ病
3) 双極II型:反復性うつ病と自然発生の軽躁病
4) 双極III型:双極III型はうつ病単独だけど,躁病の家族歴をもつか,抗うつ薬で躁転するものをさします。
表3 発展するBipolar Spectrum (Akiskal,2000 ; 秋山ら,2001より引用)
双極1/2型: 分裂双極性障害≒統合失調感情障害の双極型
双極Ⅰ型: 躁うつ病
双極Ⅰ1/2型: 遷延した軽躁をもつうつ病
双極Ⅱ型: 自生的で明瞭な軽躁病相をもつうつ病
双極Ⅱ1/2型: 循環気質者のうつ病
双極Ⅲ型: 抗うつ薬や身体的治療によってのみ起こる軽躁とうつ病
双極Ⅲ1/2型: 物質ないしアルコール乱用によってのみ起こる軽躁とうつ病
双極Ⅳ型: 発揚気質者 (hyperthymimc temperament) のうつ病
双極性障害『軽症例』の診断を巡る問題点 参照
http://square.umin.ac.jp/tadafumi/BipolarII.htm
アキスカルが双極スペクトラムを考えた根拠は,抗うつ薬や電気けいれん療法などの身体的抗うつ治療によって引き起こされた躁転をDSMの双極性障害の診断基準から除外したこと、軽躁病エピソードにおける高揚気分の持続が4日以上に定義されていること(彼は2日で充分と考えています)、混合性エピソードについて躁病エピソードと大うつ病性エピソードの基準が共にフルに満たされる必要があることなど、DSMの限定された双極性障害診断基準に批判的であったことがあげられます。軽躁状態の診断には困難が伴い見逃されたり誤診されたりするケースが多いことから、単極型と双極型に二分された気分障害の中間領域に位置する症状を把握し、家族歴、抗うつ薬誘発性の躁症状、および患者の気質にまで踏み込み、双極性障害の診断に際して幅をもたせたBipolar spectrum概念を提唱しました。この概念は次第に拡張され双極Ⅳ型にまで分類され、さらにそれが細分化されています(Akiskal,2000)(表3)。
表4) 故クラーマン博士がbipolarの新しい分類を提唱し,一時かなり広く使われていました。
Bipolar I :躁病+大鬱病
Bipolar II : 軽躁病+大鬱病
Bipolar III : 気分循環症(軽躁病と鬱の軽い物)
Bipolar IV : 抗うつ薬で誘発された軽躁-躁病
Bipolar V : 大鬱病だけだけど双極性の家族歴がある。
Bipolar VI : 単極性の躁病(とても稀)
http://www.psycom.net/depression.central.lieber.html
私はアキスカルよりクラーマンの分類の方がもっとも好きだけど,彼は死んでしまって,アキスカルは生きて論文を書き続けているから,勝てません。
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: Bipolar spectrum(双極スペクトラム)について
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://bipolar.nami-kaze.org/MT/mt-tb.cgi/87
コメントする