患者に求められる役割
軽い病気なら仕事をしながら自然回復力で治癒を待つけど,より重症になると,個人の社会的役割が果たせなくなり,仕事を休むことが認められます。その代わり,病人としての役割が与えられ,安静にして回復に努力すること,医師と協力して治療にあたる義務などが課せられます。パーソンズの医療社会学などで提唱された概念です。
病人の役割をもう少し詳しく見ると,(1).社会的役割遂行の免除,、(2).自力回復義務の免除,(3).病気を望ましくない状態と認め、回復する義務,(4).(2)(3)のために医療専門職と協力する義務,がありました。
しかしこれらは,短期間で回復する病気を前提にしていて,その為に療養期間中を社会が,面倒をみようとしていました。
もし回復しない病気や,回復しても再発する病気,社会的役割遂行が再び可能にならなければ,このシステムの負担は大きくなって,スティグマも重くなるでしょう。
http://homepage2.nifty.com/arigatch/sub01/breath/opi-11.html
http://www.josukeamada.com/bk/bpp37.htm
そもそも「能力モデルの基礎にある人間は、複数の役割を遂行する存在」であり、「この役割にこたえることのできない状態である病気は、逸脱の一つ」ですが、ここで決定的に重要な点は、逸脱たる病気を抱える病人は自らの「病人役割」からも常に逸脱/離脱していく可能性を孕んだ存在であるという指摘です。たとえば病人が病人役割にこたえようとせず回復に努力しなかったり(Ⅰ「撤退」)、医師や家族の指示に反抗的な態度をとったり(Ⅱ「攻撃」)、病人役割へ能動的に過剰同調したり(Ⅲ「強迫的遂行」)、受動的に過剰同調したりする(Ⅳ「強迫的黙従」)といったような「病人役割からの逸脱」に対しては「通常の役割期待にこたえるように導く、社会的コントロールのメカニズムが作動している」のです。だからこそ、自らなおそうとしない場合には患者の逸脱した願望や幻想の表出を医療専門職が許容したり(Ⅰ’「許容」)、攻撃的行為に対しては連帯関係を築くべく包括的に受容する態度を示したり(Ⅱ’「指示」)、役割期待に過剰同調していれば逸脱した行為に対して相互行為を拒絶したり(Ⅲ’「拒否」)、病人役割に固執していればなおすことへの動機づけを調達すべく是認・賞賛したりしなかったりすること(Ⅳ’「報酬の操作」)などによって「医療専門職は、患者に規律を与え、患者をコントロールする」のでした。
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