azamiifによる記事
1 | 2 | 3 | 一覧へころんだカモメで書いたように,臨床精神医学(アークメディア)7月号は気分安定薬が特集でした。
特集”気分安定薬の現状と課題” 2008年 37巻 7号
その中の次の記事の,解説をします。私の独断と偏見で書いているのできちんとした要約ではないけど,面白い問題点で自分でもいつも考えていた事でした。
非定型抗精神病薬は気分安定薬になりうるか?―気分安定薬の臨床の現状とその問題点について, 歴史的経緯と今後の展望を含め, 幅広い視点からの解説―
堤祐一郎 先生の総説
Editorial 論説 全部訳しました。一部意訳あります。
Treatment of Rapid-Cycling Bipolar Disorder(BP): Are Antidepressants Mood Destabilizers?
ラピッドサイクラー(RC)の治療:抗うつ薬は気分不安定薬か?
てのがありました。
最初、Destabilizerを読み間違えたけど、これは抗うつ薬は気分不安定(化)薬Mood Destabilizersとでも訳すのでしょう。
ラピッドサイクラーは1年間に4回以上気分エピソード(鬱,躁,軽躁,混合)あるいはムードスイングがあるものを言います。
それに対して,1ヶ月以内に1サイクル以上来てしまう人を,ウルトラ・ラピッドサイクラー(ultra-rapid cycling)と言います。
さらに,1日で1サイクル以上来るならば,ウルトラ・ウルトラ・ラピッドサイクラー(ultra-ultra-rapid cycling)あるいはウルトラディアン(ultradian)といいます。
この状態は,混合状態(エピソード)と理論上区別がつかなくなります。
Bipolar spectrumとは、Akiskal(1983)によって発表された双極性障害の新しい概念です。その背景としてAkiskalは、双極性障害と単極性障害の間に色々な疾患がありえること,また双極性障害をより広く考えるべきとした事によります。
年代によって発展しつつある概念です。
表1) 1983年当時は
双極I型:本格的な躁うつ病
双極II型:反復性うつ病と自然発生の軽躁病
双極III型:双極III型は反復性うつ病単独だけど,躁病の家族歴をもつか,抗うつ薬で躁転するものをさします。
厳密な単極性うつ病
「医療化」の概念は,イリイチの『脱病院化社会』(1976=1979)により,1970年代以降アメリカを中心として,学問領域を超えて幅広く知られた概念です。「医療化」とは,従来は別の領域─道徳,宗教,司法など─において扱われていた事柄が医学的な用語や概念を用いて再構成され,その事柄の「管轄権」が医療へと譲渡されていくようなプロセスを指します。
http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/UCRC/ja/zasshi/pdf/zasshi10/p129.pdf
軽い病気なら仕事をしながら自然回復力で治癒を待つけど,より重症になると,個人の社会的役割が果たせなくなり,仕事を休むことが認められます。その代わり,病人としての役割が与えられ,安静にして回復に努力すること,医師と協力して治療にあたる義務などが課せられます。パーソンズの医療社会学などで提唱された概念です。
彼は、スティグマを負った人々への劣等視が社会的に正当化されていることを論じました。その結果、スティグマを負った人々は差別という形で様々な社会的不利を被ることになるのであります。
FDA顧問委員会は,抗けいれん薬が自殺(希死念慮と自殺企図)を増すリスクを認めたけど,黒箱警告の必要はないとしました。
2008.7 ただし,患者の処方ガイドには記載するように推薦されました。
11の抗けいれん薬が上げられ,その中にデパケン,テグレトールが入っていました。
2000年までの20年間に発表された論文のうち,躁うつ病または双極性障害と題されたのは1768しかなく,統合失調症の11272,うつ病の19124と比して,著しく少ないのでした。
そのことについてGoodwin(2000) は,双極性障害を,neglected disease(無視された病気)と呼んでいます。
統合失調感情障害(分裂感情障害,Schizoaffective disorder(SAD))に関する日本語の文献は極端に不足しています。
統合失調感情障害(分裂感情障害) 簡潔な記載
http://www2.cc22.ne.jp/~hiroki/a90.htm
◆[295.70] 分裂感情障害のDSM-IVのわかりにくい定義
Schizoaffective Disorder
A. 中断されない一連の疾患期間で、その期間内のある時期に、大うつ病性エピソード、躁病エピソード、混合性エピソードのいずれかと、精神分裂病の基準Aを満たす症状が同時に存在する。
*注: 大うつ病性エピソードは基準A1の抑うつ気分を含んでいなければならない。
B. 疾患の同じ期間中に、少なくとも2週間、著明な気分症状を伴わずに幻覚や妄想が存在したことがある。
C. 気分障害のエピソードの基準を満たす症状は疾患の活動期および残遺期を含む全期間の大部分に存在する。
D. 障害は物質(例:乱用薬物、投薬)や一般身体疾患の直接的な生理学的身体作用によるものではない。