双極性障害の概念,診断,治療のまとめブログ記事

1-1)歴史的変遷

最初から双極性障害,気分障害,DSMを使うと分かりにくいので,昔から馴染みの名前・概念である,うつ病と躁うつ病から始めましょう。

うつ病≒メランコリーは昔から知られていた状態で,ヒポクラテスはそれを黒胆汁(メランコリア)のせいにしました。それに対して,興奮性の精神病≒躁病(マニー:”荒れ狂っている”が語源)が,メランコリーの人の一部に一時期現れる事もその後から知られていました。

これらは古代ギリシャの話だけど,19世紀のドイツのエミール・クレペリンが,これらを躁うつ病としてまとめました。彼はうつ状態から躁病まで含むかなり広い範囲を躁うつ病として捉え,その病因は(単一の)病的素質に起因する内因性の疾患であるとしました。

クレペリンは長い間,精神医学の教科書を1人で書き続け,初版(1883年,当時27 歳大学講師)から8版(1913年)(大学教授)まで版を重ねた人なので,概念も記載も様々に変化しています。もちろん,彼より前にも後にも研究者がいて様々な観察,仮説・病気の提唱を行ないました。

 

1-2)病因的分類

病因は大きく分けて内因と外因に分けられます。内因というのは本人の素質に起因する病気で,外因は外からの原因による病気の事です。外因には細菌などの感染症によるものとか,脳の器質的疾患によるもの(器質性),脳以外の器質性疾患によるもの(症候性),神経症性,心因性,反応性,中毒性とか様々な分け方があります。

身体疾患の場合はかなり原因の区別がつけやすいのですけど,精神疾患の場合は,厳密には原因を決めがたいのです。でも,葬式躁病のような例外を除いて,躁うつ病は原則として内因性で,うつ病には,内因性と外因性(神経症性,反応性うつ病など)があるとされて来ました。

その根拠は,躁うつ病とうつ病を比べた時,発症の誘因が後者に多い事,動物モデルで種々のストレス(強制スイミングなど)をかけると,比較的容易にうつ病様の病態が作り出され,抗うつ薬の薬効検定などに応用可能でしたが,どのように種々のストレスをかけても,躁うつ病のような症状を持つ動物モデルは出来なかったのでした。そこでうつ病は一般にストレスで作りうるけど,躁うつ病はストレス+素因がいるとされたのでした。

葬式躁病の場合,近親者の死という喪失体験でなぜ鬱でなく躁になったかの精神分析的解釈では,耐えがたい現実を躁になる事で否定し,自我の崩壊を保護するという躁的防衛の観点で説明しています。

また躁状態とうつ状態を引き起こす転職,転居,昇進,近親者の死,異性関係,経済的問題などのライフイベントを調べると,躁を起こすものと,鬱を起こすものは変わりがなかったのでした。つまりあるライフイベントが,躁を起こすことも,鬱を起こすこともあるのでした。ライフイベントが誘因となるのは,比較的初期の躁うつ病に多く,経過が長くなる程ライフイベントの誘因なしに気分変動がおこると言われています。

クレペリンは明らかな外因なしに鬱をくり返す内因性うつ病は,経過を追うといつか躁状態を呈すると仮定して,内因性うつ病と躁うつ病は同じ物と考えました。また,クレペリンは,躁うつ病は,統合失調症と異なり人格の荒廃に至らない事,主として気分・感情の障害である事を主張しまた。

やはり内因性の統合失調症はそれに対して,思考・意志の障害があるとしました。
二大内因性精神病として統合失調症と躁うつ病を分類したのは彼で,それは大きな業績とされます。

しかし,その後の研究で,うつ病と躁うつ病は同じでない事が,疫学的,臨床遺伝学的研究などによって明らかになって,単極性障害,双極性障害と別の疾患単位にする事が提唱されて今日に至り,DSMやICDなどの国際分類・診断体系でも踏襲されました。

すなわち単極性うつ病と双極性障害の疫学的比較をすると,有病率は10%対1%と単極性が圧倒的に多く,発症年令は双極性の方が若く20代前半で,単極性は40代と60 代にピークがあります。単極性では女性が男性の2倍なのに,双極性では性差がなく,単極性で発症の誘因が多いなどの差があります。臨床遺伝学では,双極性で家族歴(家族内発症),二卵性双生児より一卵性双生児で疾患一致率が高いことから,単極性より遺伝的要因・影響が高いようです。しかし,メンデルの法則の遺伝形式の単一遺伝子病であるハンチントン舞踏病や血友病などと異なり,完全に遺伝子だけで決定される病気ではありません。
双極I型障害の第1度親族(親,子,同胞,二卵性双生児)の発症率は1.5-15.5%で,単一遺伝子の効果としては低く,多因子遺伝としては高いことから,これらの中間の遺伝様式と考えられています。

結局,国際分類で,躁うつ病という歴史的病名は破棄され,双極性障害とうつ病性障害という2つのカテゴリーで分類される事になりました。

ここで寄り道ですが,ストレスとうつ病動物モデルの事を説明します。

寄り道されないかたは,引き続き、「2)国際分類・操作的診断基準の台頭」 へ

最初のコンテンツ別目次に戻るには、双極性障害の概念、診断、治療

 ここのコンテンツ 「双極性障害の概念、診断、治療」の1-2)病因的分類のところに,次のように書きました。 
 

「躁うつ病とうつ病を比べた時,発症の誘因が後者に多い事,動物モデルで種々のストレス(強制スイミングなど)をかけると,比較的容易にうつ病様の病態が作り出され,抗うつ薬の薬効検定などに応用可能でしたが,どのように種々のストレスをかけても,躁うつ病のような症状を持つ動物モデルは出来なかったのでした。そこでうつ病は一般にストレスで作りうるけど,躁うつ病はストレス+素因がいるとされたのでした」

しかし,動物のストレスによるうつ病モデルの具体的説明はしませんでした。この動物モデルは,人間が日常生活のストレスでうつ状態になる状況にも似ていて,参考になるので、寄り道ですが紹介します。
 
 みな,うつ病のモデルですけど,躁うつ病のうつ病相には適応できるかもしれません。
 
 紹介するモデルは,1)強制水泳(forced swimming:FS),2)学習された無気力(学習性無力,learned helplessness:LH),3)社会的負け犬(social defeat: SD)モデル,4)母子分離モデル,でした。
 
 1)は,ラットを水が入った円筒形の容器に例えば15分入れた後に,ケージに戻し24時間後再度5分間,水につけて,その間に見られる無動時間を測定するものです。ラットは水に入れると最初はもがくけど,次第に諦めて顔を水面に浮かすだけの無動状態になります。それの時間を測ります。簡便なので多くの抗うつ薬の検定に今でも使われます。わずか1日間の薬物投与で,無動時間の短縮が見られます。
 :想像を絶する激務にさらされれば,だれでもうつになります。
 
2)は,まずラットを,スキナー箱に入れて,レバーを押すことで回避可能な電気ショックを与えて,レバーを押すことを学習させます。つぎにレバーのスイッチを切って回避不能にした電気ショックを例えば80回与えます。それから24時間後,レバーのスイッチを入れて回避可能な電気ショックを与えます。テストを例えば15回行い,11回以上逃避失敗したものを学習性無力(LH)状態とします。
:困難な状況でもコントロールできれば耐えられるのに,耐えられない状況(レバーが効かない状況)に追い込まれる経験をすると、その後はもうダメです。

3)は社会的ストレスをみるものです。例えば一日10分だけ攻撃的マウスと普通マウスを同一ケージで飼い,残りの時間は互いのケージは透明な隔壁と空気穴で分かれた飼育環境で飼います。これを10日続けると,うつ病類似行動のマウスやラットができます。
 :嫌な人(上司,同僚,家族など)と同じ空間にいる、あるいは付き合うのは,かなりのストレスです。
 
4)母子分離ラット(他の動物の場合もある)では,成長後のストレス負荷に,正常飼育群より,コルチコステロン高値持続の点などでストレスに弱いことが示されています。うつ病あるいはそのストレス脆弱性の動物モデルとして,母子分離モデルが開発されました。
母子分離後,成育させ,2)学習性無力形成の有無を,正常飼育群と比較してみるといった複雑な実験系もあります。繊細な遺伝子レベルでの変化もあることが報告されています。
一方, 幼少期に虐待,ネグレクトなどを経験した人の場合も,脆弱性があって,成長後にうつ病になりやすいと報告されています。
 :小さい頃の事は良く分からないけど,脆弱性が生じる事があったのでしょうか?

参考文献1.うつ病の脳科学的研究:最近の話題 http://jams.med.or.jp/symposium/full/129006.pdf
      2.ストレスとうつ病動物モデル:医学のあゆみ 2006.12.30 v.219 p.1042

 

では、寄り道から戻って、「2)国際分類・操作的診断基準の台頭」 へ

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推定された病因によって分類されてきた従来の精神疾患の分類・診断に対して,主観的・直感的すぎると批判が集まって来ました。問題として,各国の種々の精神科医がバラバラに色々な病名を提唱するから,それらの異同が分からないとか,国によって診断の仕方が違う,同じ国でも精神科医によって診断結果が異なるという問題です。

そこで,現時点で精神疾患の原因は確実でないので,原因を推定して分類する病因的分類を排除し,客観的に判断できる臨床症状の組み合わせから診断する(操作的診断法)を使って出来たのが,国際分類であるWHOのICD分類とアメリカ精神医学会のDSM 分類です。それらの最新版はICD-10(1990年)とDSM-IV-TR(2000年)です。

両方とも似ているけど,ここではより新しいDSM-IV-TRをとりあげます。内因,外因,神経症性,反応性などを使わず,症状,期間,重症度などの組み合わせだけから,診断しています。

また,今までの病名を大幅に整理・単純化してしまいました。DSM-IVでは,歴史的病名である神経症(ノイローゼ)(不安障害に一部移行),ヒステリー(転換性障害へ),心身症(身体表現性障害へ)などは消えたり,名称・概念の変革を受けています。

DSM-IV-TRを,見てみると,うつ病,躁うつ病はまとめて気分障害(DSM-IIIの旧名,感情障害)に分類されています。
DSM-IV-TR(2000年)はDSM-IV(1994年)の分類体系は変えずに文章だけ追記されたものです。

気分障害の分類では,まず気分エピソードが定義されます。それには,大うつ病エピソード,躁病エピソード,混合性エピソード,軽躁病エピソードの4つがあります。
大うつ病というのは大げさな名前ですけど,単にmajor depressionの和訳で,ある程度以上のうつ状態のみを扱おうという考えです。これらの気分エピソードは、独立した疾患単位ではないけど、気分障害の診断の重要な構成部分として用いられます。

2-1)DSM-IV-TRによる気分障害の分類
2-2)気分エピソード Mood Episodes
2-3)気分障害の分類(簡単な記述)
2-3-1)うつ病性障害 Depressive Disorders
2-3-2)双極性障害 Bipolar Disorders
 

引き続き、「2-1)DSM-IV-TRによる気分障害の分類(目次)」へ

コンテンツ別目次は 双極性障害の概念,診断,治療

  • 気分エピソード
    • 大うつ病エピソード
    • 躁病エピソード
    • 混合性エピソード
    • 軽躁病エピソード
  • 1)うつ病性障害
    • [296.2x] 大うつ病性障害、単一エピソード
    • [296.3x] 大うつ病性障害、反復性
    • [300.4] 気分変調性障害
    • [311] 特定不能のうつ病性障害
  • 2)双極性障害
    • 2-1)双極I型障害
    • [296.0x] 双極I型障害、単一躁病エピソード
    • [296.40] 双極I型障害、最も新しいエピソードが軽躁病
    • [296.4x] 双極I型障害、最も新しいエピソードが躁病
    • [296.6x] 双極I型障害、最も新しいエピソードが混合性
    • [296.5x] 双極I型障害、最も新しいエピソードがうつ病
    • [296.7] 双極I型障害、最も新しいエピソードが特定不能
  • 2-2)[296.89] 双極II型障害(軽躁病エピソードを伴う反復性大うつ病エピソード)
  • 2-3) [301.13] 気分循環性障害
  • [296.80] 特定不能の双極性障害
  • 他の気分障害
    • [293.83] ・・・(一般身体疾患を示すこと)・・・による気分障害物質誘発性気分障害(物質特定のコード番号をつける)
    • [296.90] 特定不能の気分障害

米国精神医学会編、高橋三郎ほか訳『DSM-IV-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル』(医学書院、2004)より、

次は、「2-2)気分エピソードMood Episodes」へ

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DSM-IV-TR

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DSM-IV-TRとは

DSM-IV-TR = Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fourth Edition, Text Revision

直訳だと,「精神障害の診断・統計マニュアル IV 版-テキスト改訂版」ですが,医学書院の訳本の題名は,『DSM-IV-TR 精神疾患の分類と診断の手引 改訂版』(医学書院、2004)となっています。

 

上記の目次でさえ実は抜粋ですが,本文は更に長くて複雑なので,私が独断と偏見で簡単化しました。
< >は私の注記。

2-2-1)大うつ病エピソード <後でより詳しく説明。>

次のうつの症状の5つ以上が2週間以上続く。
<臨床的には6週間以上続くと本物と考えるらしい。>
ほとんど毎日の抑うつ気分。興味、喜びの著しい減退。著しい体重減少、あるいは体重増加。不眠または睡眠過多。精神運動性の焦燥または制止。易疲労性、または気力の減退。自分に対する無価値観、または不適切な罪責感。思考力や集中力の減退、または、決断困難。死についての反復思考、反復的な自殺念慮、自殺企図。
<大うつ病は,抑うつ気分と,興味・喜びの低下が2大症状で,これらの1つはほぼ確実に存在します。>

 

2-2-2)躁病エピソード <後でより詳しく説明。>

やたらと元気な躁症状が1週間以上。入院が必要ならもっと短くても。職業上や日常の社会活動または他者との人間関係に著しい障害を起こすほど、入院が必要であるほど重症であるか、精神病性の特徴が存在する。
<精神病性の特徴とは,幻覚・妄想があること。これは,社会的・心理的ダメージを受ける可能性がある危険な状況です。>

 

2-2-3)混合性エピソード <後でより詳しく説明。>

少なくとも1週間の間ほとんど毎日、躁病エピソードの基準と大うつ病エピソードの基準をともに満たします。

 

2-2-4)軽躁病エピソード <後でより詳しく説明。>
少なくとも4日間、持続的に高揚し、開放的または易怒的な気分が続く症状を特徴とする。躁病エピソードと類似するが、程度が軽く、人間関係や社会生活に影響は少ない。

 

2-2-2)躁病エピソード Manic Episode(詳細)

<躁病エピソードは,患者自身が異常の自覚(病識)を失うなど,特に大事なのできちんと各項目を引用します。>  

  • A. 気分が異常かつ持続的に高揚し、開放的または易怒的にいつもと異なる期間が、1週間以上(入院が必要な場合はもっと短期間でも)。
  • B. 気分障害の期間中、以下の症状のうち3つ以上が持続している(気分が単に易怒的な場合は4つ)。
    1. 自尊心の肥大、または誇大。
    2. 睡眠欲求の減少(例えば、3時間眠っただけでよく休めたと感じる)。
    3. 普段よりも多弁であるか、喋り続けようとする心迫。
    4. 観念奔逸*、またはいくつもの考えが競い合っているという主観的な体験。
    5. 注意散漫(注意があまりにも容易に、重要でない関係のない外的刺激に誘導される)。
    6. 目標志向性の活動(社会的、職場または学校内、性的のいずれか)の増加、または精神運動性の焦燥。
      <要するに逸脱行動。>
    7. まずい結果になる可能性が高い快楽的活動に熱中すること(例えば、制御のきかない買い漁り、性的無分別、馬鹿げた商売への投資などに専念すること)。<これらも逸脱行動で,本人の自覚だけでは防げません。また本人が逸脱・異常と自覚していない事もあります。>
  • C. 症状は混合性エピソードの基準を満たさない。
  • D. 気分の障害は、職業的機能や日常の社会活動または他者との人間関係に著しい障害を起こすほど、または自己または他者を傷つけるのを防ぐため入院が必要であるほど重篤であるか、または精神病性の特徴が存在する。
    <入院が必要か,職業的・社会的・心理的破滅を招くと言うこと。精神病性の特徴とは,幻覚・妄想などの事。>
    <*観念奔逸(かんねんほんいつ):たくさんの考えが同時に起きてまとまらなくなる,次々新しい考えに飛び移る>

 

2-2-4)軽躁病エピソード Hypomanic Episode(詳細)

<双極IとIIの鑑別上重要>
A. 持続的に高揚した、開放的な、または易怒的な気分が、少なくとも4日間続くはっきりとした期間があり、それは抑うつのない通常の気分とは明らかに異なっている。
B. 気分の障害の期間中、以下の症状のうち3つ(またはそれ以上)が持続しており(気分が単に易怒的な場合は4つ)、はっきりと認められる程度に存在している。
(1) 自尊心の肥大または誇大。
(2) 睡眠欲求の減少(例えば、3時間眠っただけでよく休めたと感じる)。
(3) 普段より多弁であるか、喋り続けようとする心迫。
(4) 観念奔逸、またはいくつもの考えが競い合っているという主観的な体験。
(5) 注意散漫(すなわち、注意があまりにも容易に、重要でないかまたは関係のない外的刺激に転導される)。
(6) 目標志向性の活動(社会的、職場または学校内、性的のいずれか)の増加、または精神運動性の焦燥。
(7) まずい結果になる可能性が高い快楽的活動に熱中すること(例えば、制御のきかない買いあさり、性的無分別、馬鹿げた商売への投資などに専念する人)。
C. エピソードには、症状のないときにはその人物に特徴的でない明確な機能変化が随伴する。
D. 気分の障害や機能の変化は、他者から観察可能である。
E. エピソードは、社会的または職業的機能に著しい障害を起こすほど、または入院を必要とするほど重篤でなく、精神病性の特徴は存在しない。
F. 症状は物質(例:乱用麻薬、投薬、あるいは他の治療)の直接的な生理学的作用、または一般身体疾患(例:甲状腺機能亢進症)によるものではない。

2-2-1)大うつ病エピソード (詳細)
2-2-3)混合性エピソード(詳細)
を下記のページで記載します。

2-3-1)うつ病性障害 Depressive Disorders

[296.2x] 大うつ病性障害、単一エピソード
1回だけの大うつ病エピソード。
[296.3x] 大うつ病性障害、反復性
2回以上の大うつ病エピソードがある。

<ふつうの内因性うつ病は通常上記の大うつ病性障害の単一エピソードか反復性エピソードのどちらかに相当すると考えられています。大うつ病障害全体の頻度は、双極性障害より高頻度で、生涯有病率は女性で10-25%、男性で5-12%と言うDSM-IVでの調査があります。双極性障害のうつ病相は、これとしばしば見分けがつかないので、鑑別上重要です。>

[300.4] 気分変調性障害
抑うつ気分が2年以上続く。でも大うつ病エピソードは満たさない。
<完全に同類かは分からないけど、うつ病の軽症型で、以前心因性うつ病とか、神経症性うつ病、抑うつ神経症などと呼ばれたモノは、これではないかと思われています。>
[311] 特定不能のうつ病性障害
上記に当てはまらないうつ病性障害。
例)適応障害で抑うつ気分を伴うもの。月経前不快気分障害。小うつ病性障害(研究用診断基準案)。反復性短期抑うつ障害。統合失調症後のうつ病性障害。妄想性障害・特定不能の精神病性障害・統合失調症活動期に重なる大うつ病エピソード。原発性か身体疾患によるものか物質誘発性か不明なうつ病症状。など。

 

2-3-2)双極性障害 Bipolar Disorders

双極I型障害
DSMでは単一躁病エピソードだけで双極Iと定義できるけど,原則は大うつ病エピソード+躁病エピソードです。
更にに言えば、大うつ病エピソード+混合性エピソードでも基準を満たします。
それ以外に、大うつ病エピソード+軽躁病エピソードの場合は,あと1つ躁病エピソードか混合性エピソードがあれば、双極I型になります。
最新のエピソードによってコード番号が違うけど,一般人にはあまり意味がないです。

これが昔から言われた躁うつ病にほぼ合致します。
昔と違う点は、混合性エピソードと軽躁病エピソードがきちんと定義された事と、躁病エピソードで、精神病性の特徴があって良いとなった点です。昔の躁うつ病の診断では、精神病性の特徴があると統合失調症と診断する可能性が大でした。
この事と、統合失調感情障害の扱いが変わった為に、現在の双極性障害は、双極II型の軽症型を含むにも関わらず、全体として昔の躁うつ病より重症化したと言う考えがあります。

[296.89] 双極II型障害(軽躁病エピソードを伴う反復性大うつ病エピソード)
これはまったく新しい概念の疾患で今までの双極性障害や躁うつ病には含まれていませんでした。1回以上の大うつ病エピソードに,最低1回の軽躁病エピソードがあれば診断できます。躁病エピソードや混合性エピソードがあってはいけません。
第二部 3)病型別の双極性障害の治療、3-2)双極II型障害を参考にして下さい。
 
[301.13] 気分循環性障害<後でより詳しく説明。>
2年以上軽躁と大うつ病エピソードを満たさない抑うつ気分をくり返す。 DSMでは軽鬱という用語はないけど、しいて書くと,これは軽躁+軽鬱となります。
[296.80] 特定不能の双極性障害<後でより詳しく説明。>
文字どおり上記に分類できない双極性障害。
例を上げると、躁病症状、うつ病症状、軽躁病症状の急速な交代(数日おきなど)で、症状域値は満たすけど最小持続期間の基準は満たさないもの。軽躁病エピソードの反復で、エピソード間にうつ病症状を伴わないもの。原発性か身体疾患によるものか物質誘発性か不明な双極性障害。

急速交代型(ラピッドサイクラー)は,DSMで特定用語として定義されています。 1年間に,4回以上気分エピソードがあるということです。躁,鬱,躁,鬱などでよいので,かなりの人がこれに相当してしまします。
第二部 3)病型別の双極性障害の治療、3-1)ラピッドサイクラーを参考にして下さい。

 

[301.13] 気分循環性障害(詳細)
[296.80] 特定不能の双極性障害 (BPNOS)(詳細)
を下記のページで記載します。

薬には、一般名、化合物名、商品名(製造会社ごとにある)があります。前2者は論文や教科書を読むとき要りますが、あまりなじみのない名前と思います。ここでは、代表的商品名1-2個(時に一般名も併記)で表記します。どの名称からでもネットで、一般名や他の商品名、後発品名を探せます。最近、後発品の商品名に、一般名(企業名)表記を厚生労働省は勧めています。

 

1-1)気分安定薬

 これの事を時に,抗躁薬と表現することがあるけど,ちょっと紛らわしいので気分安定薬とよぶべきで、ここでは抗躁薬と言う表現は使いません。

1-1-1)リーマス(炭酸リチウム)

炭酸リチウムが一般名で、かつ化合物名です。リーマスは大正製薬の商品名で、他にリチオマール、炭酸リチウム(アメル)などがあります。

1-1-2)抗痙攣薬

デパケン,テグレトールのみが保険適応です。リボトリール(ランドセン)は意外に思われるかもしれないけど、実はベンゾジアゼピン(BZ)系です。でもこれには抗けいれん薬としての認可しかなくて、睡眠薬や抗不安薬の適応はありません。しかしパニック発作に効くので抗不安薬作用もあるようです。認可されているガバベン,フェニトイン,日本未認可のラモトリジンなども,使用可でしょうけど、現実的には大学病院などだけでしょう。

1-1-1)リーマスのグループは,日本では炭酸リチウム(リーマス)だけしかないけど,海外では徐放錠や,リチウムの硫酸塩などもあります。徐放錠は濃度の安定,副作用軽減、服薬回数減少で望まれるけど国内にありません。このグループの薬は基本的に単一で,リチウムイオンだけでイイらしく、BPの気分安定薬として最初のもので,歴史・臨床経験が豊富です。機序は細胞内シグナル伝達系に関係するようですけど、完全には解明されていません。

1-1-2)抗痙攣薬はたくさん種類があるけど,デパケン,テグレトールがもっとも歴史があります。デパケンには徐放剤があるけど,テグレトールの徐放剤は海外にしかありません。

リボトリールは最強のBZと,BZ受容体への親和性より言われます。 BPに対する気分安定薬かどうかの証拠は前2者より弱く,保険適応でないけど、副作用は少ないので日本でしばしば併用薬として使われています。つまり単独で気分安定薬として使うのは弱いと思われているようです。

ラモトリジンのBPへの有効性はかなり良い証拠があるけど,日本で認可されていず,皮膚に対する副作用は深刻なことがあります。テグレトール>デパケンにも,重症の皮膚障害の副作用があります。

 1-1-3)気分安定薬の併用

気分安定薬は併用した方が,効果もあるし副作用が減ると言う,比較的革新的な総説がありました。
http://home.comcast.net/~pmbrig/BP_pharm.html
http://home.comcast.net/~pmbrig/BP_pharm.html#stabilizers

多くの場合,1つ以上の気分安定薬が気分エピソードの完全なコントロールに必要です。単一薬剤療法が基本ではあります。しかし,単一薬剤でとっかえひっかえトライアルするより,しばしば少量の他の薬剤を加える併用療法で有意の治療効果が得られることがあります。NIHのロバート・ポストはこの方法を推奨しています。そして時に少量の併用薬を用いる事で相乗効果を得て,単剤の場合の副作用を避けられることを観察しています。しかも幾人かの重症な患者は3-4つの気分安定薬の併用をそれぞれ最大治療量使わないといけない事もあります。

その場合,確立した古典的気分安定薬として,リチウム,デパケン,テグレトールがあり,研究段階の気分安定薬として非定型抗精神病薬の,ジプレキサ,セロクエル,エビリファイ,その他の抗けいれん薬,を加えられるでしょう。これらの中から併用療法を組み合わせます。例えば,リーマス+抗けいれん薬,リーマス+非定型抗精神病薬,リーマス+抗けいれん薬+非定型抗精神病薬,などです。

日本にある抗痙攣薬の,ガバペン,トピナ,フェニトインなども,BPに使えるという研究があるけど,国内ではあまり経験がないし保険適応外になります。前2者はてんかんの場合,他の抗けいれん薬との併用のみで認可されています。海外ではかなり沢山の抗痙攣薬が気分安定薬として使われ,全てではないがFDAで認可されているものも多いです。

一般に、抗けいれん薬同士の併用は、副作用や肝への負担を考え、あまり行なわれず、リーマスと抗けいれん薬の併用を行ないます。しかしリボトリールは、睡眠薬や抗不安薬と同じBZ系で副作用は少ないので、他の抗けいれん薬との併用が比較的行なわれます。また,ガバペン,トピナは上記のように他の抗けいれん薬との併用で使いますので,BPでもそうなるでしょう。

 

 1-2)抗精神病薬

これは本来は統合失調症の薬として開発されました。抗躁薬,メジャー・トランキライザー(強力精神安定剤),神経遮断薬と言われることもあるけど,抗精神病薬がもっとも誤解が少ない表現です。ただの精神安定剤と思って甘くみると酷い目にあいます。これには定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬にわかれます。

1-2-1)定型抗精神病薬はとてもたくさんあるので,高力価群 ,低力価群 ,中間・異型群と分けたり,作用時間で分けたり,化学構造から分けたりします。フェノチアジン誘導体(コントミン,ヒルナミンなど),ブチロフェノン誘導体(セレネースなど),ベンザミド誘導体(バルネチール,ドグマチールなど),などです。要は,自分に合うものを,使い込んで慣れておくことことです。

1-2-2)非定型抗精神病薬には,リスパダール,ジプレキサ,セロクエル,ルーラン,エビリファイ,があります。前4者はセロトニン・ドパミンアンタゴニスト(SDA)に分類され,エビリファイはドパミンスタビライザーとも言われます。ジプレキサとセロクエルはSDA以外の作用があってMARTAと分類される事もあります。

非定型抗精神病薬のうち,ジプレキサ,エビリファイには,躁病相と維持療法にFDAの認可があります。セロクエルは,躁病相とうつ病相に適応がありますが,維持療法に適応はありません。他の非定型抗精神病薬は躁病相のみです。
日本ではすべて統合失調症のみの適応です。
しかし,セロクエルにも維持療法の効果がありそうで,他の非定型抗精神病薬も維持療法に効果があるのではないかと考えられます。
逆に,非定型抗精神病薬が,うつ病相に有効であるかは,まだ確実とは言えないでしょう。

 

1-3)抗うつ薬

三環系(トフラニール,アナフラニール(経口と点滴両方可能),アモキサン)
四環系(ルジオミール,テシプール)
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)(ルボックス/デプロメール,パキシル,ジェイゾロフト)
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)(トレドミン)
その他: レスリン(デジレル),ドグマチール
<ドグマチールは薬理的にはドパミンブロッカーなので抗精神病薬と分類すべきだが,150-600mgぐらいでは抗うつ薬として臨床的作用がある。かなり太るし,パーキンソン症状がでて,抗うつ効果は弱い。>

 

1-4)抗不安薬,睡眠薬

抗不安薬はマイナー・トランキライザー(緩和精神安定剤),単に安定剤と呼ばれる事がありますが,誤解をうむ言い方でした。抗不安薬のかなりの部分はBZ受容体に作用する薬で,睡眠薬も同じグループです。よく安定剤だから安全で,睡眠薬(眠剤)は危険だなどと言う言い方がされたけど意味がありません。

非BZでも,BZ受容体の1種のω1受容体に結合するのが,アモバン,マイスリーです。

真の非BZは,バルビツール酸系,ブロムワレリル尿素(ブロバリン),抱水クロラールなどが,ありますけど古くて呼吸抑制があるので危険です。でもこれもBZとおなじくGABA作動性神経に働く事によって鎮静をはかる。

アルコールもGABA神経に作用するので,これらの薬とアルコールを摂取するのは危険です。

 

1-5)薬物治療モニタリング(TDM:Therapeutic Drug Monitoring)

薬物治療の際に,血中濃度などを測りながら,適切な投与量,投与間隔を決めて,中毒を防いで効果を最大にする事です。医師側からは,薬をちゃんと飲んでいるのかを見る目的もあります。その為に予告せずに採血する先生もいます。

いろいろな薬でできるけど,もっとも重要なのが治療閾と中毒閾が近いリチウムで,それ以外はデパケン,テグレトールです。

測定時期は血中濃度の最低値(トロフ値)が良いので,次回内服直前ですけど,実用的には最終服薬後12時間以降とか,朝の服薬をせずに午前中採血などとします。リーマスの場合は,服薬して採血すると2.6時間後くらいでピークになるので,朝の内服を止めずに採血すると高めになります。デパケン・テグレトールでは定常状態になっているので,それほど影響を受けないけど,同様にトロフ値ですべきです。リチウムなどで中毒症状が出ているときは,ピーク時も採血します。

リーマスを開始したか,量を増減した場合は,5日以上経ってから採血します。デパケンでは約1週間後,テグレトールでは少なくとも5日後できれば10日以上経って採血します。

有効閾は,リチウムでは多くの研究があって,議論の種です。一応の有効血中濃度は0.3-1.2mEq/Lとバラツキがあり,中毒閾は1.5以上です。例えば,急性躁病で0.8-1.0前後にして,維持期・予防療法期はそれより低めにするなどです。一般に躁状態ではより高濃度が必要です。しかし,HopkinsとGelenbergは維持期・予防療法期も0.6-1.0を保つべきで,0.6未満になると予防効果が減弱すると指摘しました。海外に比べて日本の医師は低目を好みます。日本の医師は0.3前後の低濃度でも明らかな予防効果が出ているなら,あえて増量しなくて良いという考えが多いようです。数字より臨床反応性で決定すべきでしょうけど,あまりに低いのはどうかと思います。

デパケンの血中濃度についてはよりデータが不足していて,一般にはてんかん治療で使う50-100μg/mlが指標です。テグレトールの血中濃度も同様に,てんかん治療で使う4-12μg/mlが指標です。

しかし,最近デパケンについて,より高濃度の方が良いと言う研究があって,加藤先生のHPに紹介されていました。 http://square.umin.ac.jp/tadafumi/Publication_Bias.htm
「 ちなみに、バルプロ酸の血中濃度と治療効果の関連については、これまで45-125ug/mlとされていましたが、最近、新しい論文が出版されていて,プラセボに比べて有意差が見られたのは71.4-85.0 mg/ml以上の群で、それ以下の群ではプラセボと有意差がなかったとのことです。また、高濃度グループ(94.1-107.0mg/ml、>107.0 mg/ml)では低濃度グループ(< =55.0mg/ml)に比べ有効でした。抗躁効果を期待するには、94mg/ml以上の血中濃度がベストだと考えられました。」

この全論文は,HTMLとPDFで見られて
http://ajp.psychiatryonline.org/cgi/content/full/163/2/272
http://ajp.psychiatryonline.org/cgi/reprint/163/2/272

上の論文は,急性躁病に対するバルプロ酸の効果だけを見たものです。ですから,正常気分やうつ病相(維持期・予防療法期)で,同様に高濃度を要するか不明です。しかし,躁病相について以前考えられたより高濃度が要るなら,維持期でもそれより少なくても,以前考えられ以上の高濃度が要るかもしれません。ただ,デパケンの血中濃度は投与量に比例せず,頭打ちになる性質があるので,上記の濃度にしようとすると,保険最大量の1200mgを超える可能性があります。非常にコントロールの困難な双極性では,そのような投与量を主治医と相談してください。

とにかく,血中濃度は目安で,常に臨床的な判断と総合して考えないといけません。

これで,お薬の説明は終わりで,次に具体的な使用例について話します。
でも個々の患者さんによって薬の効きは様々なので,ここで話すのは一般例です。実際への適応は,主治医やセカンドオピニオン医師とよく相談してください。

では、「2)病相別の双極性障害の治療の実際」へ

コンテンツ別目次は、双極性障害の概念,診断,治療

2-1)躁状態の薬物治療戦略

躁状態の治療は,本人,家族,医療側がよく状況を理解していれば,比較的直線的な戦略で対処できる筈です。しかし,色々な本人・家族の抵抗・無理解、医療側の経験不足や及び腰から、理想から程遠い治療が行なわれる事があり、それは本人・家族に深い傷を残します。つまり社会・心理的に緊急事態で,本人に職業・学業・家族関係上深刻な影響を及ぼすので,速やかな治療が必要で,必要なら入院をためらっていけません。

2-1-1)患者が抗うつ剤を投与されている場合には速やかに中止する。パキシルは禁断症状が出ると言われているけど、急に止めても平気な事も多いので、躁転の危険性を考えながら直ちにまたは数日で止めます。他の抗うつ薬で問題になりうるのはSSRIだけど、たぶん全ていきなり止めて平気と思います。もし、薬物離脱症状がでたら再投与してよりゆっくり減らします。

2-1-2)その上で気分安定薬を第一選択とする。未投与なら、リーマス、デパケン、テグレトールを400-600くらいから、開始し2-4日ぐらいで増やして行きます。すでに投与されていたら増量するか,不充分なら追加の気分安定薬を併用する。気分安定薬は速効性でなくて,10-14日ぐらいは,効果が出るのに要する。また一般にこのような時は高用量を要することが多い。リーマスなら800-1200,デパケン,テグレトールも800-1200mg,リボトリールなら3mg前後でしょう。気分安定薬だけで、躁を抑えるのは難しいけど、これがベースにあることで、抗精神病薬でうつ転するのなどを抑えるようです。

2-1-3)しかし,気分安定薬だけでコントロールできるのは珍しいので,抗精神病薬を併用することになります。抗精神病薬は非常に大量まで使える薬なので,躁状態がおさまるまで,どんどん増やして行きます。定型抗精神病薬なら,代表例としてコントミン(ウインタミン)が25-450mgまで使えます。その他セレネース0.75-6mg,が良く使われているけど,難治性の場合,パーキンソン病症状が強いけど,バルネチール,比較的新しいSDAのロドピンなどが使われます。

非定型抗精神病薬は,定型より躁病の興奮を抑える副作用が少ないけど,副作用は少ないです。

とにかく躁病相では素早く薬を投入して増量する事です。増やすのに迷っていると酷いことになるので,経験のある医師や入院,患者・家族の協調が必要でしょう。ただ患者は荒れ狂って病識がないことはよくあります。完全に病識を失う前に治療が始められ効くとよいのですけど。強制入院,保護室入室などで,患者に家族や医療側への不信感が決定的に根付いてしまう事はあるので,本人の意志を尊重する態度も必要です。しかし気分安定薬や抗精神病薬の効果は比較的確実で予測がつくので,知識と経験と早めの治療があれば怖くありません。

 

2-2)寛解期(再発予防・維持療法)

厳密に言うと,急性期治療後ゆっくり薬を減らしたり中止する時期を継続療法とし,完全に寛解・回復してからの再発予防を維持療法と分けて考える事もありますが,ここでの記載はまとめて行なっています。

2-1)の治療がうまくいって落ち着いたら,抗精神病薬は漸減・中止し,気分安定薬も少し減量して維持する事が多いです。

非定型抗精神病薬は気分安定薬作用があるという研究もあるので,継続することもあります。ただ,これに関する充分な証拠があるか問題です。つまり,非定型抗精神病薬(SGA) が気分安定薬作用を持つという多くの論文・総説にはデータ,論理上の穴があります。多くは急性躁病相で,非定型抗精神病薬(SGA)の治験を行い,それに反応したものについて,SGAの継続群と非継続群を比較したら,継続群の方が再発が少ないという急性躁病相治験の副産物データに基づきます。製薬会社が研究に深く関わったりしていますし,最初から,躁病相でSGAに反応のよかった患者群のみを対象とするバイアスがかかるのでした。そのように対象を絞るので人数や観察期間は小さく,脱落率も少なくないのでした。

寛解期の予防療法を行う基準は,双極I型障害では,専門家の意見は躁病エピソード1回と2回以上とに分かれています。前者の理由は躁病の生涯再発率が95%と高いことにより,後者の理由は初回エピソードから2回目までの期間が平均4年と長いことによります (Sachs, 2000)。一方,双極II型障害では3回以上の軽躁病エピソードといわれています。

いずれも目安に過ぎず,重症度,家族歴,社会・職業・家庭環境,本人の希望なども参考にしながら症例毎の判断が必要である。

予防療法は一度始めたら生涯にわたり継続するといってもよいため,開始前に患者とよく相談することが大切です。ただ継続療法の意味で行なうなら,1-2年続けてから漸減中止とする事もあります。漸減中止後,再発の頻度が増えるの半年は密に,その後も定期的経過観察が望まれます。 仮に再発がなく安定した状態が続いたとしても,維持療法を終了する時期についての見解はまとまっていません。これも症例毎に患者との話し合いで決定されるべきです。たとえば患者が強く妊娠,出産を希望する場合などは維持療法を終了することになるかもしれない。しかしそのような場合でも,急激なリチウムの中止は特に躁状態での再発の危険を高めるので,1ヶ月以上かけて漸減しなければならないでしょう。充分なデータはないが,おそらく他の気分安定薬でも同様な対応が望まれます。

双極I型では,生涯維持療法を続けるという考えも多いです。デンマーク精神医学会のガイドラインでは,5年以内に2回の気分エピソード(種類はどれでも)があったら,維持療法を勧め,5-10年は行なう。最初のエピソードが躁病エピソードで,重症だったり,卒業間際などの重大な人生の局面なら,最初のエピソードから維持療法を行なう。 5-10年後維持療法を中止する時も,再発の危険性が高くなるけど,もし再発したら維持療法は長期続けるかたぶん,生涯続ける方がよい。

 

2-3)うつ病相(双極性うつ病ともいいます)

これの治療は,今までの病相の治療と違い,治療反応性が予測できず,しばしば難治性で個々の対応が必要です。

2-3-1)抗精神病薬が投与されている場合はそれを中止します。パーキンソン病治療薬,抗ヒスタミン薬など,鬱を誘発,悪化させる薬もなるべく中止します。

2-3-2)抗うつ作用 のある気分安定薬の場合はこれを増量したり,調節することがあります。今の所,リーマスには軽い抗うつ病作用があるけど,他の気分安定薬の場合はなく,抗躁作用が主体なようです。ラモトリジン(未認可)もリーマスに匹敵する抗うつ作用があるらしいけど, 抗躁作用が弱いそうです。鬱の場合,気分安定薬を減量する医師もいるけど,私は賛成しません。鬱の前の躁を予防して軽くすると,その後の鬱が軽くなる印象を持つからです

2-3-3)次に問題になるのは,抗うつ薬の使用です。抗うつ薬は,躁転する危険性があり,従ってラピッドサイクルなど,病相の不安定化を招きます。それから,双極性障害は,前提として単極性うつ病に比べて経験的に抗うつ薬の反応性が悪い事を,認識しておく必要があります。

一応,躁転しにくいのはSSRIであり,あまり証拠はないけど,SNRI(SSRIよりは躁転しやすい)やレスリン(デジレル)やドグマチールや四環系抗うつ薬も躁転しにくいではないかと思われます。一方,躁転しやすい抗うつ薬は,三環系です。

ですから,抗うつ薬を併用するときは,気分安定薬の充分量を併用して,躁転を防ぎます。最初はSSRIなどの躁転しにくいものを少なめから使うけど,効果がなければ一日保険最大量まで増量します。それで,だめならSNRI,レスリン,四環系 抗うつ薬を最少量から保険最大量まで使います。

三環系抗うつ薬も必要なら使うけど,この場合は使用量が非常に大量まで使用可能です。例えばトフラニールなら10-300mgですし,アモキサンなら10-300mgです。でも,最大量まで使うのは危険なので,この場合なら200mg(最大量の2/3)程度までにします。

残念ながら,日本人はSSRIに反応しにくい人が多いようです。ですから,SSRI3種類(ルボックス(デプロメール),パキシル,ジェイゾロフト)がダメとなったら,早く見極めて他の抗うつ薬にトライすべきでしょう。

抗うつ薬の増強療法として,リーマス,甲状腺ホルモン,パーロデル(パーキンソン病治療薬でドパミン受容体刺激薬)併用が上げられています。前2者は躁転の危険性は増さないと思われるけど,ドパミン受容体刺激薬の場合は躁転の危険性が増すかもしれないです。甲状腺機能低下があれば,双極性障害の病相不安定化の原因にもなるので,甲状腺ホルモンを当然補充する。サブクリカルな甲状腺機能でも補充する意見が強いし,甲状腺機能低下が全くなくても補充してよいと言う意見があります。

最近の大規模研究では,気分安定薬を充分使っていれば,双極性うつ病に抗うつ薬を追加しても全く効果がないし,逆にそれによって躁転する危険性が増すものでもないとしました。しかし,私や多くの人の経験では,抗うつ薬の併用によって,鬱を脱出することも確かにあるし,躁転することもあったのでした。

一見、逆のようにも思えますが、抗うつ薬(特にSSRI)で,双極性うつ病が穏やかに治った場合,そのまま1年間は続けた方が鬱の再発が少ない事が報告されています。おそらく他の抗うつ薬でも,半年ー1年使い続けた方が良さそうです。ただし躁転した場合は,原則として直ちに中止します。パキシルのように断薬症状の強いものも,できるだけ早く数日で中止すべきと思います。

以上で,2)病相別の双極性障害の治療の実際 の終わりです。
双極性障害の治療で難しいのは,病相によって薬を使い分けなければいけない事です。
さいわい気分安定薬はほぼ全病相を通じて使えるけど,その普及以前は今よりずっとコントロールが困難でした。
気分安定薬は効き目が実感しにくくて,後から振り返ると,入院とか休職が減ったと分かるようなものです。充分説明を受けて根気よく飲んでください。
次は,「3)病型別の双極性障害の治療の実際」です。

コンテンツ別目次は、 双極性障害の概念,診断,治療

3-1)ラピッドサイクラーRapid Cycler(RC)

3-1-1)はじめに,臨床的特徴

RCはDunner,Fieveが1974年に定義した病態ですけど,1年間に4回以上の気分エピソード,リーマスに抵抗性,女性に多い,甲状腺機能低下症,双極IIに多い,予後不良などの特徴が上げられました。しかしながらDunnerが述べた特徴がひとり歩きして,多くの総説や教科書がそれを無批判に引用しているようにも見えます。

DSM-IVの特定用語にRCが1994年に採用された時は,BPの5-10%がRCとされ,RCは女性が 70-90%が占めるといわれました。 2000年のDSM-IV-TRではRCの頻度は10-20%であり,以前は双極IIに多いと言われたけど,双極I≒双極IIだったという記載でした。さらに最近の統計ではRCの有病率は,14-53%とされているのもあります。

一方2003年のメタアナリシスでは,RCはRCでないものに比べて女性,双極IIが多く,うつ病エピソードでの初発,気分障害の家族歴,自殺企図歴が関係したと報告されました。このように,RCの特徴は報告により微妙に違います。

DSM-IVの基準では,躁病,混合性,軽躁病エピソードにおいて,抗うつ薬や電気ケイレン療法などの身体治療によって引き起こされた躁病・軽躁病は除外することになっています。ところがRCの成因として抗うつ薬投与は広く認められているので,もし基準を厳格に適応すると,RCの頻度が減ってしまいます。この除外項目について論争中ですが,RCについて扱う場合は除外しなくて良いように思います。私個人はこの場合は除外しなくていいと思いますし,特にRCを考えるときはこれを除外するのは変になります。

3-1-2)RCはいつまで続くか?

RCがいつまで続くかの一致した見解はないけど,Wehrらは5年間の経過観察中,RC が持続しと報告し,Coryellは前向き観察研究で2年以内に80%以上の症例がおさまったと報告しました。両方を信じるなら数年で軽快するものと,治療に抵抗して持続するものがある事になります。 2年で軽快するのなら予後は悪くない事になるけど,おおむね難治性という総説が多いようです。初期からRCであるものと,後になってRCになるものがあって,古いデータですが約20:80だそうです。初発年齢が,RCでないものより3-9年遅いというデータがあります。

3-1-3)甲状腺機能低下症は関係するか?

甲状腺機能低下は臨床症状のあるもの及びないもの(サブクリニカル)を含めて関係しそうです。両者とも積極的治療が望まれます。また治療でリチウムを使うと甲状腺機能が低下するので,甲状腺機能の充分な検索が必要です。 RCとRC以外の人に試験的にリチウムを6週間投与した所,潜在的甲状腺機能低下がRC 群で起きやすいことが示され,RC群の甲状腺に脆弱性があるかもしれないそうです。

3-1-4)抗うつ薬はRCを引き起こすか?

抗うつ薬による躁転がRCのきっかけになること,抗うつ薬の使用がRCを起こすだけでなく,助長する可能性が指摘されています。 RCと抗うつ薬の使用が46%で関連し,特に女性のRCでは抗うつ薬に関連するRCが男性のと比べて2倍近いといいます。一方気分安定薬を併用した状況での別の研究では,鬱の極期と躁転する前の三環系抗うつ薬使用に差がなく,抗うつ薬変更とRCも関係ないそうです。

また別の長期の追跡研究ではRC症例の42%は観察期間中抑うつ状態で,躁・軽躁は13% にすぎず,多くの症例で鬱のコントロールが治療上問題なので,注意深い短期の抗うつ薬使用が必要かもしれないと指摘しています。つまり抗うつ薬でRCになるか,助長されるかについても厳格な研究はなく,結論がでていません。

しかし臨床的経験ではそのような報告があるので,コントロール不良のRCについて抗うつ薬を漸減・中止するのは1つの戦略で,それによってコントロールが良くなったと言う報告もかなり見られます。

3-1-5)RCにリチウムは効くか?

Dunnerの最初の報告以来,RCにリチウムはあまり効かないとというのが定説になりました。しかし,RCに関するリチウムの成績は錯綜していて,2報の50%以上の症状改善を認めるという報告,再発予防効果は認めないが症状の改善は認める1つの報告,2報の再発予防効果は認めないという報告がありました。つまりDunnerらのリチウムに治療抵抗性という報告と違って,再発予防効果は難しくても,すくなくとも症状の部分的改善性が認められそうです。実はDunner自身もその後の報告で,再発予防効果はないけど症状改善があるので臨床的に有用としています。

3-1-6)RCにその他の気分安定薬はどうか?併用療法はどうか?

CalabreseらはRCに対してリチウムよりバルプロ酸(デパケン)が有効であると1990 年報告しました。 2005年Calabrese自身により行なわれたより大規模の追試では,リチウム群とバルプロ酸群に有意の差はなくなってしまいました。

テグレトールがリチウムより,RCに良いという経験的な報告はあるのですけど,双極性障害全体でもテグレトールは,好ましい傾向はあるけど,有意の維持療法である事は示されていません。 Dnicoffの1987年の報告で,RCの既往歴をもつ双極患者は,リチウムに28%,テグレトールに19%,併用療法に56.3%反応していたけど,併用療法で有害事象が多いようです。

2005年Calabreseに行なわれた研究でも,リチウムとバルプロ酸併用で症状がある程度コントロール出来たのは24%でした。

したがってリチウムより抗痙攣薬群の気分安定薬がRCに確実に良いと言うのは,懐疑的です。ただRCをきちんと対象にした大規模研究がないので,試行錯誤で有効な気分安定薬を探すしかないように思います。上述の研究より併用療法は期待はできるけど,データ上,臨床上の優越性の証拠は少ないことになります。日本では使える気分安定薬が少ないので,併用にかけるしかない部分もあります。日本で好まれるRCに効くと言うリボトリール(単独または併用に)に関するデータは恐ろしく少なかったです。

ただ,日本語の総説では,右にならえで,リーマスは効きにくい,デパケン・テグレトール・リボトリールは効くとしている傾向があります。それに従って医師の薬剤の選択が偏っているように思います。私の経験では,高用量のリーマスでRCが止まりました。日本ではリーマスの使用量,血中濃度を低めにする傾向があるので,リーマスが効かないという評価が広がっているのかもしれません。

3-1-6)RCに非定型抗精神病薬は有効か?

定型抗精神病薬は躁病急性期に,気分安定薬と併用されるけど,鬱転する危険性があります。RC治療上,躁状態から鬱転させない事が,鬱から躁転させない事と同様に重要です。従って鬱転させにくいと言われる非定型抗精神病薬に一定の役割があるかもしれない。

現在,日本で認可されている,非定型抗精神病薬は全て統合失調症にしか適応がないです。しかしFDAでは急性躁病に全て適応があり,双極性障害の維持療法としてジプレキサ,セロクエル,エビリファイが適応です。ルーランは国産品で,米国で販売されていないのでデータが少ないです。

ジプレキサでは1番治験が繰り返し行なわれたので,RCを対象に含むものもあります。ジプレキサに,バルプロ酸またはリチウムを併用するのは,躁病相,維持療法として有効なようです。

非定型抗精神病薬(SGA)が気分安定薬作用を持つという多くの論文・総説にはデータ,論理上の穴がありますことは,2-2)で記載しました。でもRCの場合は試す価値があるかもしれないです。

3-1-7)結語

RCの分類は多くの賛同を得たけど,その特徴はかなり変遷しています。頻度もかなり多くなってきて,ここまで多いとサブセットとしての立場が変わってきます。 RCの4回以上という操作的基準を再検討したKupkaらは8回以上に定義しても大して変わらない事を示しています。だから普通RCのエピソードはかなり多いのです。つまり4回で区切った正当性も問題となります。

 

3-2)双極II型障害(BPII)

3-2-1)はじめに

BPIIは新しい概念で,DSM-IV(1994年)で正式採用された診断カテゴリーです。
つまりその前のDSM-IIIR(1987年)では非定型双極性うつ病や特定不能の双極性障害として扱われていたし,ICD-10 にはありません。

でも概念は1970年代のDunnerらの研究にさかのぼり,彼らは躁うつ病(両病相があり躁病で入院歴)にも単極性うつ病(うつ病で入院歴)ににもうまく分類されない,うつ病+入院を要さない軽躁病の既往のある人を,双極IIと名づけ,上記の古典的躁うつ病を双極Iとしました。その後の家族,気質,病前性格,疫学研究でBPIIは,単極性うつ病より双極性障害に近縁である事が示され,DSM-IVで正式採用されました。

軽躁病エピソードと躁病エピソードの差はわずかだけど,基準Dには,他者から観察し認識される程度(の異常),とあるし,一方で社会的・職業的機能に著しい障害や,入院を要さないとされます。

BPIIの診断基準では、臨床的に著しい苦痛、社会的、職業的、その他の重要な領域での機能の障害、の存在という表現があります。つまり正常人の正常範囲でのハイという程度以上の気分の変動になります。

私も誤解していたけど、鬱状態での入院は、BPIIの除外項目でなく、躁での入院が除外項目です。

3-2-2) 臨床的特徴

BPIIの生涯有病率は約0.5%と言われます。性差は女性に多いという報告と同等と言う報告があります。 BPIIの親族には、BPII、BPI、うつ病性障害が高率と言われます。つまりこれらは共通の遺伝的機構があるかもしれません。一方でBPIIだけの遺伝的独立性もありそうでした。

軽躁病エピソードの60-70%は、大うつ病エピソードの直前または直後です。自然経過だと、躁病・軽躁病エピソードは2-3ヶ月、大うつ病エピソードは6ヶ月平均して続くそうです。反復性大うつ病性障害より、出現するエピソード数は多いです。 5-15%の患者でRCになり、治療困難です。

BPIIの5-15%が5年間で躁病エピソードを呈し、BPIになります。 BPIIにはアルコール依存症などの物質乱用または依存、摂食障害、不安障害、境界性パーソナリティ障害、自殺企図がBPIや大うつ病性障害より多いと言われています。季節型も多くて、夏に軽躁病エピソードを呈しやすいそうです。

3-2-3) 治療

気分安定薬 リチウム、デパケン、テグレトールが主体です。まず1種類を使用し、約3週で効果がなければ、増量あるいは変更です。気分安定薬が効くまで10-14日を要するので、その間不眠・焦燥・不穏があったらベンゾジアゼピン系か抗精神病薬を併用します。それでも効果がなければ気分安定薬の併用を行います。 BPIIの鬱病相の治療は、BPIのそれと同じですが、躁転・RC化しやすいので、よりデリケートに行います。

維持療法については、上述のように3回の軽躁病エピソード後に始めることが多いけど、本人の社会的地位・要望に合わせます。もし維持療法を行わない場合、急性期治療後、継続療法として急性期に用いた抗うつ薬や抗精神病薬を漸減・中止し,更にゆっくり気分安定薬を中止していきます。単極性鬱病の場合、継続療法として抗うつ薬を1年使い続ける事が一部で推奨され、双極性うつ病の場合も同様なデータがあります。その事は、BPIIの急性期治療後の1-2年くらいの継続療法が大事のようです。

定型抗精神病薬には再発予防効果はないけど、非定型にはあるかもしれません。

BPIの場合は、急性期治療から、そのまま継続治療、維持療法と連続することが多いけど、BPIIの場合は、生涯の再発予防療法(維持療法)の導入に議論があります。その場合、急性期療法後の継続療法で寛解を固めてから薬を離脱するのが重要です。

3-2-4)社会的・心理的側面

軽躁病エピソードは、本人・家族・周囲の者から全く困らず、問題視されないことがあります。ですから、その把握や本人らによく知らせる事が重要です。また、本人は困らないどころか絶好調の時期と捉えて治療を拒むこともあります。

しかし放置すると、軽躁とは言え,だんだんエピソードの出現頻度や逸脱の程度が酷くなってきて来て、心理・社会的、職業・家庭などで大惨事になる事もあります。つまり病気に関する知識、治療の選択肢、予後などの心理教育が必要になります。

 

3-3)混合性エピソード,混合状態,(混合エピソード,混合型,躁鬱混合)

上記のように言い方からしてイロイロあるけど,ここではDSM-IVの定義に従っている場合,混合性エピソードにして,クレペリン的な定義の場合は混合状態と記載します。

混合状態の概念は実は古くて,クレペリンより前から似た状態の記載があるけど,クレペリンの教科書第5版(1896)に系統的記載があります。彼は西洋の伝統的精神モデルに従い,心を,知(思考),情(気分),意(意欲)の3つの観点から観察し,3つとも高ぶっているのが躁,3つとも停滞するのが鬱として,3つのうちの1-2つが高ぶり他が停滞するのを混合状態としました。

しかしDSM-IVなどの国際分類では,混合性エピソードを上述のように,クレペリンの古典的定義より狭く定義しています。つまり,少なくとも1週間の間ほとんど毎日、躁病エピソードの基準と大うつ病エピソードの基準をともに満たす,必要があります。その結果,混合エピソードは,軽躁病エピソードやBPIIとの共存が許されないのでした。

しかし,現在でも,多くの患者・医師がクレペリン的な混合状態を認めているようです。

DSM-IVの混合性エピソードは,6.7%だそうであまり多くありません。しかし大うつ病症状に,2つ以上の躁状態の症状を伴う臨床的混合状態は37%だそうです。

混合状態の人は,アルコールなどの物質乱用,精神症状(幻覚・妄想など),強迫性障害が多いと言います。

ベンゾジアゼピン,バルビツール酸系,メチルフェニデート(リタリン)が,混合状態の改善に寄与する証拠はありません。精神症状を示唆する訴えがあると,とりあえずベンゾジアゼピン系の抗不安薬を処方する医師がいるけど,患者が「ベンゾジアゼピン常用量依存*」に陥る人がいて困るので,依存性のある上記のような薬物は避けるべきです。*常用量依存とは,薬の常用量の範囲での適切使用なのに依存に陥ることです。

 最後の話で、「4)精神療法と環境調整」

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4)精神療法と環境調整 

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 双極性障害(BP)の治療の基本に,A)精神療法(心理療法)と,B)環境調整(社会的治療)という方法があり,それは重要な治療手段で,まとめて心理社会的治療ともよばれますが,適切な薬物療法が前提になります。
 
 この稿は,それらを説明します。分かりやすさを優先するために,平易な表現を用いました。
 
 精神療法は,本来,精神科医や臨床心理士などが,行なうものですが,日本では保険診療の関係もあって,充分利用できなかったり,手技も古いものが多いです。
 一方,最近はその手法を患者のセルフヘルプ向けに解説している本が増えましたので,それらを利用するのも一手でしょう。日常用語で書かれているので簡単な気がしますが,実行は必ずしも容易ではありません。
 また,薬物療法に副作用があるように,精神療法や環境調整でも,副作用(精神的不安定や心理的な揺さぶりなど)があり,却って悪い結果となることがある事を理解して,充分気をつけて適用ください。
 
 
 A)精神療法には,1)心理教育(サイコエデュケーション,PE),2)認知療法(CT),3)行動療法(BT),4)認知行動療法(CBT),5)対人関係療法(IPT),6)社会リズム療法(SRT),7)対人関係・社会リズム療法(IPSRT),8)家族療法(FT),9)集団療法(GT),10)力動的精神療法(PDPT) などがあります。有効性の証明が一番なされているのは,認知療法,対人関係療法,行動療法です。
 
 
 1)心理教育(サイコエデュケーション)(PE)

 これは,ふつう精神科医が行い,患者(と家族)に,情報,を提供し,病識を高めて偏見を排除し,服薬をきちんとすること(服薬コンプライアンス)の重要性の認識,再発の防止などを説明するものです。病名の告知,治療法の説明,薬物の副作用などの説明もされます。
 初めての患者にとって,薬を飲み続けること,気分をモニターして再発の徴候をつかむことは大変で,重要性はよく分かりません。それをよく理解してもらおうというものです。
 :BPの薬物療法にPEだけでも行なうと,治療についての知識が向上し,服薬コンプライアンスが改善し,再発の時期が遅くなったという研究があります。
 ::これを充分行なってもらっていない患者は,双極性障害の啓蒙書を数冊読むと良いでしょう。代わりになります。
 
 
 2)認知療法(CT)

 認知とはCognition(コグニション,考え方,見方),です。
 気分は思考を左右するけど,思考も気分を左右します。思考をより客観的に変えられれば気分を変えられるでしょう。
 例えば,コップ半杯の水は,もう半分なくなったと考えるか(悲観的,実はうつ的),まだ半分あると考えるか(楽観的,実は躁的)によって,気分は大いに異なります。これはうつ的、躁的、と言った躁うつの気分変動にも応用できる見方です。客観的に,半分はあると認識(正常・客観的気分)すれば,うつ気分が改善されるでしょう。
 
  7種類の「認知のゆがみ」を是正します。認知の歪みは幾つかのパターンに分類され,7種類です。その7つとは,恣意的推論,ニ分割思考,選択的抽出,拡大視・縮小視,極端な一般化,自己関連づけ,情緒的な理由づけ,です。難しい名前がついていますが,本の解説をみれば誰もが思い当たることです。それで,自分の認知の歪みがどのパターンかを知るのが第一です。
 
同じく「自動思考」を見つめ直します。悲観的になった時に思う考えは,自分の意思に関わらず出てくるので,自動思考と呼びます。それの代わりになる考えを見つけるのが重要です。(自動思考の)根拠を探し(実はない),その結果を予測し,代わりの考えを探し出します。
  
さらに「コラム法」で現実を見ます。1)状況,2)不快な感情,3)自動思考,4)代わりの考え,5)心の変化を5つのコラムにして記載して,非合理な自動思考をなおし,不快な感情もとっていきます。
 
 認知療法の技法を全部解説するのは大変なので項目だけですが,本が沢山出版されています。いくつか本を読んでみるか,こちらのリンク先にある,認知療法関連・紹介のHPをみると,手技が紹介されているので分かりやすいでしょう。
 :認知療法については,クリニックでこれをしてくれるところは少ないので,自分で本を読んで実践してみてください。理屈っぽいので,根気が要ります。鬱と躁の酷いときは出来ないかもしれないけど,軽-重鬱のネガティブ思考が少し軽くなる気がします。
 
 
 3)行動療法(BT)
 
 行動療法では,自分の行動や感情に関わる「コントロール感覚」が重要です。
 周囲の状況や,人々に影響・コントロールが及ばないとうつ状態に陥ります。
 うつ病の動物モデルの2)学習された無気力(学習性無力,learned helplessness:LH),でも見られる状況です。
 ストレスとうつ病動物モデル参照。
 
  逆に言うと,周囲の状況や人々にコントロールされて身動きできない職場や家庭などの社会的状態を脱すればいいとも言えます。
 
 サラリーマンの中間管理職は,上司と部下に挟まれて,自分の思うようにならない状況で長時間働かせられます。
主婦の状況も中間管理職に似ています。一家の大黒柱とおだてられているけど,することは雑用が多く,子供は言うことを聞かず,夫も何かと注文を出すでしょう。その状態で,周囲から家事や育児は出来て当たり前とみられ,適切な評価や感謝も得られないと沈んだ気分になります。

サラリーマンでも主婦の場合でも,まず自分のしてきた事を振り返ります。つぎにあまり遠くを見ずに,目の前の具体的な問題から解決していくのです。
サラリーマンなら上司の突然の無理な要求には,理性的にアサーティブに反論するとか,主婦の場合なら,自分の役割分担を明らかにし,家族の他のメンバーへの分担分を求めるなどです。(これは対人関係療法的手技が要ります)
 
 大野裕先生の本では,行動療法の問題解決技法が紹介されていました。
 具体的な問題解決に向き合う p120
 
 1)問題を明確にする。 problem できるだけ具体的に。
 2) 解決のアイデアをたくさん考える。 resolution 思いついたことはまず書き出してみる。
 3)(それぞれのプランの)プラス面とマイナス面を検討する。 analysis 一番問題解決に役立ち,実行しやすそうなのを選ぶ。
 4)実行する。とにかくdoしてみる。 事前にシュミレーションやロールプレイできればなおいい。
 5)結果を評価する。assessement 上手くできたら自分をほめる。解決しなかったら,どこに問題があるかを調べる。このサイクルを繰り返す。
 やさしい感じの表現でした。
 
 私が無理やり英語を当てはめました。つなげて,PRADAと命名しました。
 行動療法では,行動を個々の段階に分けて1つ1つ進めることをします。そのことによって何も手につかない時に,何か行動を始められるかもしれません。
 何をやってもうまくいかないとあきらめるのではなく,やれる問題をみつけ,PRADAの方法でトライしてみればどうでしょうか。たとえ完全な成功で無くても納得がいったり、気分が楽になると思います、
 
 :これもクリニックでほとんどしていないと思いますが,本もあまり多くありません。
 
 認知療法と行動療法は手技が似ているので,両者を組み合わせた,4)認知行動療法(CBT)がよく行なわれます。
 BPの薬物療法にCBTを組み合わせて,BPの薬物コンプライアンスが上昇したり,治療からのドロップアウトが減ることが示されています。
 
 
 5)対人関係療法(IPT)
 
 「コミュニケーション」が対人関係療法の基本です。
 人間は社会的動物ですから,人と触れ合うことで,悩みを解消します。一方対人関係のトラブルは強いストレスになります。
 動物モデルでも,3)社会的負け犬(social defeat: SD)モデル,4)母子分離モデル,があり,似ていると思いました。
 ストレスとうつ病動物モデル参照。
 
 
 気分障害に関係の深い対人関係問題は,4つです。
 1)喪失体験,  大事な人との別離
 2)コミュニケーション・ギャップ(対人関係上の役割をめぐる不和),  夫婦・親子・同僚間など
 3)役割の変化,  進学,就職,転勤,転職,退職,結婚などに伴うもの
 4)対人関係スキル(技術)の不足(対人関係の欠如)  人と関わるのが苦手とか,きちんと主張すること(アサーティブネス)ができないなど

対人関係をらくにするヒント 
 1)自分を好きになる:私が「悪い」からスタートすると,どんどん辛くなるから,私が好きからスタート。
 2)自分とは違う相手を認める:相手の気持ちや考え方は自分と違うことをまず認めましょう。
 3)いつも具体的に考える:「じぶんはダメな人間だ」「あいつは酷いやつ」ではなく具体的問題点・相違点を指摘。
 4)百点満点はない:お互い違う他人ですから,人間関係にパーフェクトはありません。
 5)食い違ってもいい:意見の対立を恐れる必要はありません。
 6)言いにくいこともいう:黙っていては伝わりません。伝え方に工夫して。
 7)言葉だけじゃない:表情,相づちも重要。
 8)頭を柔らかくする:自分の思い込み,決めつけを反省してみる。
 9)いつものやり方をやめてみる:自己流のやり方,見方をもっています。
 10)困るを活用する:人間関係のトラブルは困るが,困るをひとつひとつ解決していけばいい。困ることこそ問題点です。
 
 対人関係がうつ病性障害・気分障害の発症と進行に関係するという理論の元に生み出されてたのが,5)対人関係療法(IPT)です。これに規則正しくない生活リズムの乱れが,躁・うつ症状の誘因になるという6)社会リズム療法を組み合わせたものが,7)対人関係・社会リズム療法(IPSRT),です。睡眠・覚醒表や対人関係のイベントを記入して,気分状態と対人関係・社会リズムとの関係を認識してもらいます。
 
 認知行動療法は,鬱の酷いときや,躁の酷いときに行なうののは難しいけど,IPSRTは比較的躁うつ病に相性が良いように感じました。
 
 大うつ病性障害には,CTを上回る成績をIPTは収めています。
 
 :対人関係療法をしているところは殆どありません。
 解説本も僅かでした。
 社会リズム療法では,BPの精神療法を記載した本やHPに,睡眠・覚醒表の載っているものがあります。
 
 
 8)家族療法(FT)

 家庭内のストレスが発症,経過,予後に関係する事が,示されています。
 BPの家族の感情表出(EE:expressed emotion)研究からは,高EE群では,批判,敵意,感情的巻き込まれが高くて,再発率が高く,予後も不良であると知られています。
 このようなことから,家族へのアプローチによって,家庭内のストレスを減らし,再発の誘因の同定,対処をおこない,経過の改善を図るものです。統合失調症家族でも同様な研究がなされました。
 
 :これは精神科医・臨床心理士が行ないますが,患者自身では普通出来ません。家族は権威に弱いから精神科医にしてもらうのが一番です。
 
 
 9)集団療法(GT)

 以前は躁うつ病はGTの対象と考えられなかったのですが,最近では,心理教育,セルフケアグループ(自助グループ),認知行動療法を組み合わせたGTによって,薬物コンプライアンス,知識,適応力の向上がみられました。
 
 セルフケアグループ(自助グループ,セルフヘルプグループ)は患者同士が集まって体験談や悩みを話し合うものです。オブザーバーとして臨床心理士などの指導者がつくこともあるし,居ないこともあります。BPのような稀な病気の場合,患者は孤立しがちですけど,同病者と知り合い話すことで孤独から救われ,病気のコントロールの上手なベテランの知恵も学べます。
 また,医師の説明より,実例の方が良く分かることもあります。 
 これには,わかちあい・ひとりだち・ときはなち の3段階があるといいます。「わかちあい」では体験・気持ち・考え方を共有し,次に自己選択や社会選択することで「ひとりだち」していき,それから自分への尊厳が生まれ「ときはなち」に繋がると述べています。
 
 :クリニックによっては,このような活動をしていますが,他の精神疾患と一緒に行なうことになるのが普通です。自助グループを専門家の助けになしに行なうのは時に危険だけど,同病者を知る点で有意義なことも多いです。
 
 
 10)力動的精神療法(PDPT)(精神分析的精神療法)
 精神分析的手法を発展させ改良されたものです。一部に有効と言う報告がありますが,効果は不明という報告もあります。
 長期に渡る場合があり根気がいると言えるでしょう。
 
 :ふつう,精神科医がします。セルフヘルプでするのは難しいと思います。精神分析の読み物は比較的たくさんあります。
 
 

B)環境調整(社会的治療)
 薬物療法,精神療法と並んで,気分障害の治療では,その人の置かれている環境面への働きかけが有効になることがあります。
 環境は,その人にとって相性があるので,慎重に分析する必要があります。
 具体的には,仕事の環境を変えられないか?家庭の環境をかえられないか?などです。
 
 職場の場合,職場の異動を伴う場合などは実施に注意が要ります。
 日本の職場の環境や,カミングアウトの問題などからみて,これは一筋縄ではいきません。
 しかし,職場の環境調整は,しばしばスムーズな職場復帰や回復にとって必須なものです。
 主治医,上司,産業医などと相談しながら,休職・復職などを慎重に進めましょう。
 :仕事の形態によってケースバイケースです。リハビリ出勤制度のあるところもあります。
 
 一方,主婦,若年者の患者の場合などは,家庭内の環境調整は重要です。具体的には家事の負担軽減,役割分担です。子供の場合,干渉しすぎないこと(低EE),放置もしないことや,休学・留年などの処置です。
 ;家族の理解を得るために受診に同席して主治医に説明してもらうなど、医療面からのサポートを選択することも可能です。また双極性障害の啓蒙書から病気の知識を学んでもらうなどの工夫もできるでしょう。

究極的な環境調整を最後に紹介しておきます。
(1)入院,2)休職,自宅安静,3)実家に帰る,4)部分出勤,リハビリ出勤,があります。
一般化して、話すのは難しいけど,

1)は医師の管理下に入り,家庭とも隔絶されるし,状況によっては面会謝絶にもなり,患者本人が主治医に頼んで面会謝絶にしてもらうことも可能です。

治療に専念できるし,入院中に思い切った薬物療法,精神療法,集団療法なども受けられるでしょう。最近は早期から面会可にしていると思います。
欠点は,長期入院になると,入院生活に依存したり,社会性が失われて,退院してもすぐ入院することになる場合があります。回転ドア症候群といいます。
早期退院と言われているけど,日本の入院はやや長い傾向があって,その後のデイケアサービスも遅れているかもしれません。
 
2)休職,自宅安静
仕事を思い切って休むのもひとつの手です。主婦の場合も,自宅安静にしてもらい,原則家事も誰かに任せる手があります。
自宅安静を,どのレベルにするかは主治医と相談して下さい。家にまで仕事を持ち込むのは論外だけど,仕事関係の本やPCを許可するか,娯楽の本だけにするか,などいろいろな段階があります。
主婦の家事も,全部しない,好きな家事だけする(洗濯するけど,掃除はしない,お菓子は作るけど料理は作らないなど),などいろいろの段階があります。
でも,せっかく休むのですから,家での作業はできるだけせずに思い切って休むことだと思います。
でも,あまり休職すると,職場復帰しにくくなります。

3)実家に帰る
両親が元気なら,仕事・家庭・家事から基本的に離れられます。自分の家庭での自宅安静は,主婦の場合何かと雑用が発生して完全にはうまくいかないけど,実家ならより良好です。
でも自分の家族が高EEで,相性が悪いと上手く行きません。(家族療法の項参照)。
遠隔地の場合,主治医をどうするかとか,子供の世話をどうするかの問題が生じます。
実家に依存してしまうと,元の生活に戻りにくくなります。

4)部分出勤,リハビリ出勤
おもに回復期の出勤形態としていろいろなものが考えられています。
残業を禁止する,午前あるいは午後だけ出勤,フレックスなどです。
企業によっては,リハビリ出勤制度として設けてあるところもあります。
出勤形態だけでなく,どの位置にもどれるかも重要です。一般的にはより軽いポジションに戻されてしまいますが,気を落とさずに対応しましょう。
これらは,回復期だけでなく,病状が悪化してきた時に(例えば躁になりかけた時)使って,先手を打って部分出勤などにできれば,再燃が防げるかもしれません。

 文献
 「双極性障害の治療スタンダード」 樋口輝彦、神庭重信編(星和書店) http://www.seiwa-pb.co.jp/search/bo05/bn433.html
 「うつ病・双極性障害で悩まないで!」大野裕 http://www.natsume.co.jp/category/d9784816343919.html
 「バイポーラー(双極性障害)ワークブック」モニカ・ラミレツ・バスコ http://www.seiwa-pb.co.jp/search/bo05/bn580.html

 

これで,おしまいです。お疲れさまでした。
もし,ご希望なら最初の目次から,望みの所を読み直せます。

もし,あまりこの分野に詳しくないなら最初から,一部分からなくても、ざっと読むことを勧めます。全部読み通せば分かる事や、掲示板とか他の本などの知識も加えて,だんだん分かると思います。

一応専門家のチェックは受けたけど、文責はazamiifにありますが、全ての文章が完全に正しく、誤解のないように書かれているかは保証できません。実際の適応に当たっては、主治医やセカンドオピニオン医師に相談してください。また、医学知識が古くなる事はしばしばあるし、一定以上の基礎知識がないと理解しにくい時もあります。

最初のコンテンツ別目次は 双極性障害の概念,診断,治療

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